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異類(人間以外のキャラ)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・同人誌などジャンルを越境する会です。
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杉山和也氏
ちりめん本に於ける日本昔噺と、その翻訳の諸相
―『瘤取』の鬼の描写を中心として―


本発表ではまず、ヘボン訳・ちりめん本『瘤取』と、『宇治拾遺物語』所収話「鬼ニ瘤被取事」(第三話)、ならびにグッドウィンの論文に所収の翻訳の三者の関係性について、表現の分析を通して検討を行った。
結果、ヘボンは『宇治拾遺物語』の本文に独自に当たっていることが想定される。
そして、その本文は刊本系の本文であった可能性が高いと考えられる。
ただし、ヘボンが1875年3月15日、横浜にて開催された日本アジア協会・例会で、グッドウィンの論文の内容を聴いているという事実が確認できる以上、当該論文に収録されるホールの翻訳を参考にしていた可能性については退けることができない。
むしろ、先行の訳として、併せて参照していたと考える方が自然であろう。
そして、そうした状況が想定できる以上、従来考えられてきたように、ちりめん本『瘤取』で「訳されなかった部分」については、『宇治拾遺物語』の描く世界観や日本文化が理解できていなかったという要因ばかりではなく、併せて訳者のヘボンによる取捨選択もあったということを考える必要がある。
そこには小冊子故の字数の制約、或いはちりめん本の出版に際して狙い所となった購買層への配慮といった事情も背景にある可能性があり、この点についてはちりめん本全体の検討を通して考える必要のある問題であろう。今後の課題と致したい。

また、本発表の最後には、フランス語版・スペイン語版・ドイツ語版の表現の比較を試みた。
結果、いずれも基本的に英語版からの翻訳であると考えることができた。
(文・杉山和也氏)。


以上は、2018年2月24日、異類の会例会(於・青山学院大学)での発表要旨です。
次回は3月31日14時から同所で開催予定です。

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