異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
日時:12月27日(土)14時~
会場:大東文化大学・板橋キャンパス3号館2階 0201教室(詳細は下記参照)
発表者:杉山和也氏
題目:日本に於ける鮫の認識
要旨:
日本の古典作品に登場する鮫を取り上げ、その認識の変遷を通史的に概観する。それを踏まえて鮫が各作品の中で鮫がどのような役割、或いは表現効果を果たし得ているのかを考察する。
■会場のご案内
注意点:スクールバス運休。
板橋キャンパスへのアクセス
http://www.daito.ac.jp/access/itabashi.html
◎電車を利用する場合↓
東武東上線
・東武練馬駅北口下車
※当日、無料スクールバスは運行しておりません。
(板橋SATY前の乗り場からタクシーで8分)
・都営三田線西台駅西口下車 徒歩12分
◎路線バスを利用する場合↓
東武東上線
・東武練馬駅北口下車
浮間舟渡駅行高島六の橋バス停下車
・成増駅北口下車
赤羽駅西口行または志村三丁目駅行大東文化大学バス停下車
JR
・赤羽駅西口下車
成増駅北口行約20分大東文化大学バス停下車
会場:大東文化大学・板橋キャンパス3号館2階 0201教室(詳細は下記参照)
発表者:杉山和也氏
題目:日本に於ける鮫の認識
要旨:
日本の古典作品に登場する鮫を取り上げ、その認識の変遷を通史的に概観する。それを踏まえて鮫が各作品の中で鮫がどのような役割、或いは表現効果を果たし得ているのかを考察する。
■会場のご案内
注意点:スクールバス運休。
板橋キャンパスへのアクセス
http://www.daito.ac.jp/access/itabashi.html
◎電車を利用する場合↓
東武東上線
・東武練馬駅北口下車
※当日、無料スクールバスは運行しておりません。
(板橋SATY前の乗り場からタクシーで8分)
・都営三田線西台駅西口下車 徒歩12分
◎路線バスを利用する場合↓
東武東上線
・東武練馬駅北口下車
浮間舟渡駅行高島六の橋バス停下車
・成増駅北口下車
赤羽駅西口行または志村三丁目駅行大東文化大学バス停下車
JR
・赤羽駅西口下車
成増駅北口行約20分大東文化大学バス停下車
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近世後期の「件(くだん)」に関する文献資料六点と、『ホキ抄』の「件(ケン)」説話との比較を行った。「くだん」と「ケン」の関係性は、常光徹(『うわさと俗信』高知新聞社 1997年)で指摘されていたが、これまで検証が行われたことはなかった。
江戸時代後期の資料における「くだん」には、「山中で遭遇する」、「人語を解し、病気の流行を予言する」、「姿を図写した者は病難から逃れられる」、「記事には「くだん」の絵が添えられている」という共通点が見受けられる。しかし、それ以外の記述は、資料によって差があり、「件(くだん)」という名称や、姿に関する記述はかならずしも一致しない。
『ホキ抄』の「ケン」は、龍宮から現れた人面牛身の人語を解す異類として記されている。釈尊に、その身が狙われている事を告げ、釈尊は「ケン」の進言通り、「ケン」の皮を張った太鼓を叩くことで難から逃れた。その後、釈尊は「ケン」を第一の弟子として認めた。また、漢字の「件」が、人偏に牛をつくるのは、「ケン」の姿によるものであるという。
江戸後期の資料に見える「くだん」と、『ホキ抄』の「ケン」には、いくつか共通する特徴が見受けられる。「名が「件」である」、「人面牛身」、「人語を解し、危機を予言する」、「漢字の「件」は、「ケン」の姿による」点である。しかし、「名が「件」である」、「人面牛身」、「漢字の「件」は、「ケン」の姿による」という点は、江戸後期「くだん」資料の一部のみに見える特徴である。「山中で遭遇する」、「人語を解し、病気の流行を予言する」、「姿を図写した者は病難から逃れられる」という異類の伝承に、「ケン」説話の要素が混ざり、「くだん」と呼ばれるようになったのではないだろうか。
(文・発表者 中野瑛介氏)
以上、異類の会第45回例会(2014年9月26日・於青山学院大学)発表の要旨です。
江戸時代後期の資料における「くだん」には、「山中で遭遇する」、「人語を解し、病気の流行を予言する」、「姿を図写した者は病難から逃れられる」、「記事には「くだん」の絵が添えられている」という共通点が見受けられる。しかし、それ以外の記述は、資料によって差があり、「件(くだん)」という名称や、姿に関する記述はかならずしも一致しない。
『ホキ抄』の「ケン」は、龍宮から現れた人面牛身の人語を解す異類として記されている。釈尊に、その身が狙われている事を告げ、釈尊は「ケン」の進言通り、「ケン」の皮を張った太鼓を叩くことで難から逃れた。その後、釈尊は「ケン」を第一の弟子として認めた。また、漢字の「件」が、人偏に牛をつくるのは、「ケン」の姿によるものであるという。
江戸後期の資料に見える「くだん」と、『ホキ抄』の「ケン」には、いくつか共通する特徴が見受けられる。「名が「件」である」、「人面牛身」、「人語を解し、危機を予言する」、「漢字の「件」は、「ケン」の姿による」点である。しかし、「名が「件」である」、「人面牛身」、「漢字の「件」は、「ケン」の姿による」という点は、江戸後期「くだん」資料の一部のみに見える特徴である。「山中で遭遇する」、「人語を解し、病気の流行を予言する」、「姿を図写した者は病難から逃れられる」という異類の伝承に、「ケン」説話の要素が混ざり、「くだん」と呼ばれるようになったのではないだろうか。
(文・発表者 中野瑛介氏)
以上、異類の会第45回例会(2014年9月26日・於青山学院大学)発表の要旨です。
日時 9月26日(金)19:00-21:00
会場 青山学院大学 総研ビル(14号館)五階 14501教室
中野瑛介氏
「予言獣「件(くだん)」と『ホキ抄』所収の「件(ケン)」説話」
要旨:
「件(くだん)」とは、豊作や疫病などの予言を行う、人面牛身の異類である。近世のかわら版や、各地の伝承の中に見受けられ、文学や民俗学などの領域で研究が行われてきた。
これまでの研究において、「件(くだん)」を伝える資料として挙げられてきたのは、江戸時代後期以降のもののみだったが、発表者は、室町時代末から江戸時代初期頃に成立したとされる陰陽道書『ホキ抄』巻二「○十二支之事」の記事中に、「件(くだん)」とよく似た特徴を持つ、「件(ケン)」にまつわる記述を発見した(『ホキ抄』の「ホキ」は本来漢字だが、変換されない可能性が高いため、カタカナで表記した)。
今回の発表では、『ホキ抄』の「件(ケン)」説話を紹介し、「件(くだん)」伝承との関係性を考察する。
会場 青山学院大学 総研ビル(14号館)五階 14501教室
中野瑛介氏
「予言獣「件(くだん)」と『ホキ抄』所収の「件(ケン)」説話」
要旨:
「件(くだん)」とは、豊作や疫病などの予言を行う、人面牛身の異類である。近世のかわら版や、各地の伝承の中に見受けられ、文学や民俗学などの領域で研究が行われてきた。
これまでの研究において、「件(くだん)」を伝える資料として挙げられてきたのは、江戸時代後期以降のもののみだったが、発表者は、室町時代末から江戸時代初期頃に成立したとされる陰陽道書『ホキ抄』巻二「○十二支之事」の記事中に、「件(くだん)」とよく似た特徴を持つ、「件(ケン)」にまつわる記述を発見した(『ホキ抄』の「ホキ」は本来漢字だが、変換されない可能性が高いため、カタカナで表記した)。
今回の発表では、『ホキ抄』の「件(ケン)」説話を紹介し、「件(くだん)」伝承との関係性を考察する。