異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
艶笑譚は大きくわけて性器や精力の大小を話題の中心とするもの、知恵を以て不倫を行うもの、言葉や物を性的なものと掛けるものに分けられる。
性器・精力の大小は格外能力者のテーマと、不倫は狡智譚のテーマと重なることから、同じ話の場である閉じられた同性集団において語られ易い興味の方向であった。
また、話の主人公としては男性・女性ともに特定の職業者であることが多く、不可侵のものであるからこそ破りたくなる禁忌の侵しの話でもある。
口承資料においては、獣姦譚の報告は少ないが、精力旺盛や巨根といった興味の方向は同一であり、より効果的に話を伝える技術であった。
以上、発表者堀口祐貴氏による要旨でした。
次回の例会は予定では来月10月29日夕方6時から国学院大学にて開催となります。
内容は擬人化の研究史。
詳細は追ってお知らせします。
性器・精力の大小は格外能力者のテーマと、不倫は狡智譚のテーマと重なることから、同じ話の場である閉じられた同性集団において語られ易い興味の方向であった。
また、話の主人公としては男性・女性ともに特定の職業者であることが多く、不可侵のものであるからこそ破りたくなる禁忌の侵しの話でもある。
口承資料においては、獣姦譚の報告は少ないが、精力旺盛や巨根といった興味の方向は同一であり、より効果的に話を伝える技術であった。
以上、発表者堀口祐貴氏による要旨でした。
次回の例会は予定では来月10月29日夕方6時から国学院大学にて開催となります。
内容は擬人化の研究史。
詳細は追ってお知らせします。
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前回取り上げた、人魚(エイ、ジュゴン)を漁師が磯で犯すという伝承を大正十二年の沖縄採訪時のノートに折口信夫も書き留めてり、翌大正十三年『三田評論』「信田妻の話」に祖先祭祀における動物始祖伝承を考察する中で儒艮を「先祖の儘の姿で居るといつた骨肉感を抱く様にな」ったものと位置付けている。
この他、南方熊楠が汎アジア的な前記伝承の記述を見出した“支那志”(『Tratados Historicos Politicos Etnicos y Religiosos de la Monarquia de China』1676 マドリッド)について、熊楠の摘記した「ロンドン抜書」の内容と照らし、グーグルブックスがPDF化したスペイン語原書と極めて近い版であると考える事が出来る。
以上、発表者広川英一郎氏による要旨でした。
今月の例会は21日夕方6時からとなります。
詳細は追ってお知らせします。
この他、南方熊楠が汎アジア的な前記伝承の記述を見出した“支那志”(『Tratados Historicos Politicos Etnicos y Religiosos de la Monarquia de China』1676 マドリッド)について、熊楠の摘記した「ロンドン抜書」の内容と照らし、グーグルブックスがPDF化したスペイン語原書と極めて近い版であると考える事が出来る。
以上、発表者広川英一郎氏による要旨でした。
今月の例会は21日夕方6時からとなります。
詳細は追ってお知らせします。
第11回例会案内です。
今回は以前取り上げた人間と異類との婚姻説話の考察(下記URL参照)を発展させたものとなります。
http://irui.zoku-sei.com/Entry/11/
日時 8月30日 2:00頃
場所 都庁南展望台
※JR新宿西口改札前みどりの窓口(改札向きの壁際)で待ち合せてから展望台に向かいます。
2時集合。
広川英一郎
人と異類の交渉・続考
本年1月の例会において、人と異類の性的な交渉が全て「婚姻譚」と括られる点に対する疑問から出発し、世間話としての人と円魚の交接譚を取り上げた。
大きな進展は無いものの、若干の新資料を交えて、このテーマについて考察を行いたい。
『平家物語』内において馬が登場する箇所を調べてみるとおよそ三つのパターンがあることがわかる。
A ただ「馬」と記される。
B 馬の毛色が記される。
C 馬に名前が記される。
以上の三つである。
今回はBとCに注目した。すると、Bの際には馬の所有者である装束がともに描かれることが多い。そのため馬は装束として描かれていると指摘できる。諸本で比較してみるとそれぞれに違いが確認できた。
次にCの場合であるが、馬の名前が記される際には馬そのものが場面内で重要な役割を担わされていることが多いとわかった。
また、『源平盛衰記』にのみ指摘できる特徴として、馬の名前を列記する箇所が指摘できる。百科全書ふうの『盛衰記』の性格がうかがえる。
以上、発表者の大谷貞徳氏による要旨でした。
来月の異類の会は下旬に都庁展望台で開催する予定です。
よろしく御参集ください!
A ただ「馬」と記される。
B 馬の毛色が記される。
C 馬に名前が記される。
以上の三つである。
今回はBとCに注目した。すると、Bの際には馬の所有者である装束がともに描かれることが多い。そのため馬は装束として描かれていると指摘できる。諸本で比較してみるとそれぞれに違いが確認できた。
次にCの場合であるが、馬の名前が記される際には馬そのものが場面内で重要な役割を担わされていることが多いとわかった。
また、『源平盛衰記』にのみ指摘できる特徴として、馬の名前を列記する箇所が指摘できる。百科全書ふうの『盛衰記』の性格がうかがえる。
以上、発表者の大谷貞徳氏による要旨でした。
来月の異類の会は下旬に都庁展望台で開催する予定です。
よろしく御参集ください!