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異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
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第15回例会のご案内です。

日時 12月27日(月曜日) 13時
場所 新宿・都庁南展望室(予定)
    JR新宿駅西口みどりの窓口前で待ち合わせ

杉山和也氏
日本に於ける鯨鯢の認識

古典文学に現れる動物、「鯨鯢」について、従来の研究では、現実のクジラの問題に還元して考えられがちであった。しかし、文学に表出された動物を考える上で重要なのは、動物に対する認識の在り方や、象徴的な意味の在り方であろう。
 したがって本発表では、必ずしも現実の動物の問題に還元せずに、漢籍や仏典由来の知識の影響を見据えつつ、日本人の認識の問題として鯨鯢を捉え直す。

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作品の概要を取り上げ、ネーミングについて解釈を加える。
本作品は続帝国文庫の万物滑稽合戦記にも翻刻されているが、それは2巻本である。 これに対して、架蔵本は3巻本。 どちらも馬喰町の吉田屋小吉板で、どちらが先行するのは不明。 おそらく3巻本であろう。 もともとストーリーとは関係なく、機械的に3巻に分けたものを、後に中盤のストーリーの切れ目のいいところで分けて2巻本にし、その際、後半を「世帯平記諫略巻」と改題したのだろうと思われる。
なお、ネーミングについては下記の記事を参照されたし。
http://blogs.yahoo.co.jp/warszawa11045/20545047.html

以上、発表者伊藤慎吾による要旨でした。
次回は12月27日13時、新宿にて開催します。
詳細は追ってお知らせします!

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 『精進魚類問答』は精進物と魚類、すなわち野菜や植物素材の料理と魚介類を主とする海産物との争いを主題とする江戸後期の戯作である。作者は吉田可水という伝未詳の人物である。この作品がどこで作られたのかもよくわからない。しかし、本文をつぶさにみると、ある程度は見当が付けられそうである。
 まず南京坊一官というキャラクターがいるが、これは野菜の南京の擬人化である。南京というのは今日でいうカボチャであり、今でも関西地方ではナンキンという呼び方がある。
 さらに絞り込んでみると、たとえば大麦大納言の一子として「ひらかしの助酢五郎」というのが出てくる。「ひらかし」というのは「ひらかす」という動詞で茹でるという意味。今でも福岡地方で使われているようである。「ひらかし麦飯」という日常食がかつて当地方で食べられていた(『聞書 福岡の食事』)。麦は大麦の一種だから、これを大麦の一子とするのは、ひらかし麦が前提としてあるからだろう。
 このほかにも海苔尽くしの一節があるのだが、そこには「菊池のり」が出てくる。これは肥後、今の熊本県の菊池川で採れる海苔のことである。「平すの鰤助」の「平す」は長崎地方でいうブリ。
 このように、本作品に見られる擬人名からは九州地方特有の語彙が散見される。してみると、その成立が九州地方である可能性は非常に高いと考えられるのである。

以上、発表者伊藤慎吾による要旨でした。
次回は明日です!時間・場所は同じ。

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第13回例会のご案内です。

日時 10月29日(金曜日) 午後6時
場所 国学院大学
※会場となる教室は3407号室です。
 
3号館4階にあります。
 待ち合わせ場所は次の通りです。
 学術メディアセンター(図書館が入っている建物)
 1階ラウンジ

http://www.kokugakuin.ac.jp/content/000007812.pdf

伊藤慎吾
『精進魚類問答』の紹介

近世、擬合戦物語が数多く作られた。
『平家物語』『太平記』の影響の見られるものが多いが、その中でお伽草子『精進魚類物語』の系譜もまた見受けられる。
今回紹介する『精進魚類問答』もその一つと言えよう。
これは浄瑠璃風の叙述をとった異類合戦物語である。
伝本が架蔵の1本しか確認されず、その成立の時期や事情が判然としない。
そこで全文を翻刻して紹介し、参加者の意見を乞いたいと思う。

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艶笑譚は大きくわけて性器や精力の大小を話題の中心とするもの、知恵を以て不倫を行うもの、言葉や物を性的なものと掛けるものに分けられる。
性器・精力の大小は格外能力者のテーマと、不倫は狡智譚のテーマと重なることから、同じ話の場である閉じられた同性集団において語られ易い興味の方向であった。
また、話の主人公としては男性・女性ともに特定の職業者であることが多く、不可侵のものであるからこそ破りたくなる禁忌の侵しの話でもある。
口承資料においては、獣姦譚の報告は少ないが、精力旺盛や巨根といった興味の方向は同一であり、より効果的に話を伝える技術であった。


以上、発表者堀口祐貴氏による要旨でした。

次回の例会は予定では来月10月29日夕方6時から国学院大学にて開催となります。
内容は擬人化の研究史。
詳細は追ってお知らせします。

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2009/09/15
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新宿ミュンヘンで誕生。

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