異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
日時:2月24日(水)2時
会場:大東文化会館K-404教室
発表者:伊藤慎吾
題目:古典的な異類合戦物の終焉―石井研堂『鳥戦太平記』解題―
要旨:
『鴉鷺合戦物語』『精進魚類物語』といった中世後期以来の異類同士の合戦物語は軍記物のパロディとして数多く創作されてきた。
これは幕末まで続き、近世後期の草双紙や錦絵においても主要なテーマとなっていた。
いずれも類型性が強い点に特色の一つがある。
しかし近代に至ると、急激に衰退する。
今回はその文化史的背景ではなく、伝統的な異類合戦物の読み物の最後に位置づけられると思われる作品を取り上げる。
石井研堂(坂芋仙)の著した『鳥戦太平記』という作品で、児童雑誌『小国民』に断続的に連載されたものである。
その構成や内容上の特色、社会的背景などを検討してみたい。
会場:大東文化会館K-404教室
発表者:伊藤慎吾
題目:古典的な異類合戦物の終焉―石井研堂『鳥戦太平記』解題―
要旨:
『鴉鷺合戦物語』『精進魚類物語』といった中世後期以来の異類同士の合戦物語は軍記物のパロディとして数多く創作されてきた。
これは幕末まで続き、近世後期の草双紙や錦絵においても主要なテーマとなっていた。
いずれも類型性が強い点に特色の一つがある。
しかし近代に至ると、急激に衰退する。
今回はその文化史的背景ではなく、伝統的な異類合戦物の読み物の最後に位置づけられると思われる作品を取り上げる。
石井研堂(坂芋仙)の著した『鳥戦太平記』という作品で、児童雑誌『小国民』に断続的に連載されたものである。
その構成や内容上の特色、社会的背景などを検討してみたい。
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『墨染桜』(『草木太平記』)は、吉野の里の八重桜を巡って、薄をはじめとする草勢と、梅を大将とする木勢が争う異類合戦物である。写本は発見されておらず、江戸期の版本が五種指摘されるのみである。本発表では、五種のうち、『室町時代物語大成』第八巻所収の承応二年(一六五三)版を底本とし、上巻における植物表現について考察を加えた。
先行研究の追跡を行うと、『太平記』の巻十八~二十二を踏襲していることがわかった。また、植物表現の用例を調査した結果、単純な掛詞のほか、和歌や歌語を踏まえた言語遊戯が多いことも確認できた。さらに、『七草草紙』『花鳥風月の物語』などのお伽草子作品や、謡曲「景清」「和田酒盛」と酷似する言い回しをしていることから、これらの影響も考えるべきであると指摘した。今後は、下巻を分析するとともに、他のお伽草子作品の表現と併せて、植物の擬人化表現の特徴を捉えたい。(文・北林茉莉代氏)
以上、異類の会第60回例会(2016年1月30日)の発表要旨です。
※次回は2月24日(水)14時、大東文化会館にて開催します。
先行研究の追跡を行うと、『太平記』の巻十八~二十二を踏襲していることがわかった。また、植物表現の用例を調査した結果、単純な掛詞のほか、和歌や歌語を踏まえた言語遊戯が多いことも確認できた。さらに、『七草草紙』『花鳥風月の物語』などのお伽草子作品や、謡曲「景清」「和田酒盛」と酷似する言い回しをしていることから、これらの影響も考えるべきであると指摘した。今後は、下巻を分析するとともに、他のお伽草子作品の表現と併せて、植物の擬人化表現の特徴を捉えたい。(文・北林茉莉代氏)
以上、異類の会第60回例会(2016年1月30日)の発表要旨です。
※次回は2月24日(水)14時、大東文化会館にて開催します。
日時:12月16日(水)15時~17時30分
会場:大東文化会館4階K-404教室
http://www.daito.ac.jp/file/block_49513_01.pdf
(最寄駅:東武練馬駅)
発表者:塩川和広氏
題目:「百鬼夜行の魚介をめぐって-蛤の妖怪を中心に」
要旨: 中世から近世にかけて数多く制作された百鬼夜行絵巻と総称される絵巻群には、多くの異形異類が描かれている。その多くは禽獣や道具をモチーフとしたものだが、一部の伝本には蛤、栄螺、蛸の三種の魚介が登場する。本発表ではこの魚介の異形、特に蛤に注目し、なぜ魚介が百鬼夜行に並んでいるのかについて考えていく。
会場:大東文化会館4階K-404教室
http://www.daito.ac.jp/file/block_49513_01.pdf
(最寄駅:東武練馬駅)
発表者:塩川和広氏
題目:「百鬼夜行の魚介をめぐって-蛤の妖怪を中心に」
要旨: 中世から近世にかけて数多く制作された百鬼夜行絵巻と総称される絵巻群には、多くの異形異類が描かれている。その多くは禽獣や道具をモチーフとしたものだが、一部の伝本には蛤、栄螺、蛸の三種の魚介が登場する。本発表ではこの魚介の異形、特に蛤に注目し、なぜ魚介が百鬼夜行に並んでいるのかについて考えていく。