異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
日時:12月16日(水)15時~17時30分
会場:大東文化会館4階K-404教室
http://www.daito.ac.jp/file/block_49513_01.pdf
(最寄駅:東武練馬駅)
発表者:塩川和広氏
題目:「百鬼夜行の魚介をめぐって-蛤の妖怪を中心に」
要旨: 中世から近世にかけて数多く制作された百鬼夜行絵巻と総称される絵巻群には、多くの異形異類が描かれている。その多くは禽獣や道具をモチーフとしたものだが、一部の伝本には蛤、栄螺、蛸の三種の魚介が登場する。本発表ではこの魚介の異形、特に蛤に注目し、なぜ魚介が百鬼夜行に並んでいるのかについて考えていく。
会場:大東文化会館4階K-404教室
http://www.daito.ac.jp/file/block_49513_01.pdf
(最寄駅:東武練馬駅)
発表者:塩川和広氏
題目:「百鬼夜行の魚介をめぐって-蛤の妖怪を中心に」
要旨: 中世から近世にかけて数多く制作された百鬼夜行絵巻と総称される絵巻群には、多くの異形異類が描かれている。その多くは禽獣や道具をモチーフとしたものだが、一部の伝本には蛤、栄螺、蛸の三種の魚介が登場する。本発表ではこの魚介の異形、特に蛤に注目し、なぜ魚介が百鬼夜行に並んでいるのかについて考えていく。
近年、早物語4種を収録する幕末明治期の写本が現れた(個人蔵)。今回はその翻刻、釈文を作成し、また関連資料を提示した。
1、蚤虱地方争い
これは従来早物語としては知られて来なかったもの。
板倉政談のパロディでもある。
2、和尚蜂合戦(仮題)
これは従来から知られている「清盛蜂合戦」に基づくものと思われる。
鎌倉建長寺の和尚と蜂たちの戦いを描く。
3、蓼地蔵(仮題)
これは菅江真澄『ひなのひとふし』に見える早物語と同根と思われる。
ただし、真澄採録の物語が化け地蔵の所作の滑稽さに重きを置いているのに対し、こちらは地蔵霊験として語られている点に違いがある。
4、酒餅論(仮題)
これは仮名草子『酒餅論』の酒造之丞(擬人化された酒)の言動を抜き出した語り物。『酒餅論』の影響が早物語に及んでいたことを示すのみならず、文字テクストが語り物化した実例である点も貴重。
総じて、早物語のみから成る写本(幕末明治期)は例がなく、且つ、以上のように従来知られていなかったもの、また知られていても異なるモティーフをもつものが出現してきたことで、早物語の伝承の広がりを窺う新たな材料を得たことになる(文・伊藤慎吾)。
以上、異類の会第58回例会(2015年11月14日)の発表要旨です。
1、蚤虱地方争い
これは従来早物語としては知られて来なかったもの。
板倉政談のパロディでもある。
2、和尚蜂合戦(仮題)
これは従来から知られている「清盛蜂合戦」に基づくものと思われる。
鎌倉建長寺の和尚と蜂たちの戦いを描く。
3、蓼地蔵(仮題)
これは菅江真澄『ひなのひとふし』に見える早物語と同根と思われる。
ただし、真澄採録の物語が化け地蔵の所作の滑稽さに重きを置いているのに対し、こちらは地蔵霊験として語られている点に違いがある。
4、酒餅論(仮題)
これは仮名草子『酒餅論』の酒造之丞(擬人化された酒)の言動を抜き出した語り物。『酒餅論』の影響が早物語に及んでいたことを示すのみならず、文字テクストが語り物化した実例である点も貴重。
総じて、早物語のみから成る写本(幕末明治期)は例がなく、且つ、以上のように従来知られていなかったもの、また知られていても異なるモティーフをもつものが出現してきたことで、早物語の伝承の広がりを窺う新たな材料を得たことになる(文・伊藤慎吾)。
以上、異類の会第58回例会(2015年11月14日)の発表要旨です。
人間以外の生物や無機物を擬人化して物語中でキャラクターに仕立てることは前近代から数多く見られる。これらの物語には合戦をテーマとしたものが少なくない。近世には挿絵を伴うものが散見され、それらには甲冑姿で表現された擬人化キャラクターが描き出されている。擬人化の対象となる素材の示し方には兜と指物に甲冑ならではの特徴がある。本発表では、その特徴がどこに由来するのかを考えてみた。
まず、変り兜は前立が主流であるのに対し、擬人化は頭形、頭立が主流と指摘することができるだろう。
一方、指物を用いた擬人化表現は、当時の現実の指物を模倣していることが考えられる。
また、頭部にモティーフを描くものは、古代中世の神像からの流れも汲んでいると思われるが、しかしそれ以上に、筒が現実の武具に由来しているように、兜もまた現実の兜、とりわけ変り兜を模倣したものと見るのが相応しいのではないかと考える。同一作品中に旗指物があることを考え合わせれば、絵師からすれば兜もまた武具の一環として捉えられていたのだろう(文・伊藤慎吾)。
以上、異類の会第57回例会(2015年9月15日)の発表要旨です。
まず、変り兜は前立が主流であるのに対し、擬人化は頭形、頭立が主流と指摘することができるだろう。
一方、指物を用いた擬人化表現は、当時の現実の指物を模倣していることが考えられる。
また、頭部にモティーフを描くものは、古代中世の神像からの流れも汲んでいると思われるが、しかしそれ以上に、筒が現実の武具に由来しているように、兜もまた現実の兜、とりわけ変り兜を模倣したものと見るのが相応しいのではないかと考える。同一作品中に旗指物があることを考え合わせれば、絵師からすれば兜もまた武具の一環として捉えられていたのだろう(文・伊藤慎吾)。
以上、異類の会第57回例会(2015年9月15日)の発表要旨です。