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異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
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第121回開催のご案内

日時:5月29日(日)16時00分
会場:Zoom
 
タイトル:
神仏による「祟り方・罰のあて方」

発表者:

羽鳥佑亮氏

要旨:
 神仏は御利益をもたらすだけでなく、祟ったり、罰をあてたりする。従来、人々が神仏の祟りや罰をどのように考え向き合い対処したか、また、神仏は祟りや罰をもたらすことから、どのような存在とされてきたかは論じられてきた。しかし、神仏の祟りや罰がどのように表現され描かれてきたかについては、ほとんど論じられていないようである。
 そこで本発表では、神仏の祟り方・罰のあて方そのものに注目し、特に、対象が疾病を患うもの、対象が事故に遭遇するものから、神仏による祟り方・罰のあて方の表現の変遷について、大きな潮流を確認してみたい。
 
※来聴歓迎!
初めて参加する方は
 TwitterID: @iruinokai
にDM等でご一報ください。

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タイトル:
近世期異類合戦物の見取り図
発表者:
伊藤慎吾


要旨:
 色々なものが擬人化して、「餅と酒」「酒と煙草」「魚類と青物」「藥と病」など、二つの軍勢に分かれて合戦を繰り広げる物語を異類合戦物と呼ぶ。
 中世後期に軍記物のコンセプトを受け継いで発展していき、近世期には物語文学・語り物文芸・草双紙・話芸・絵画・瓦版・落書など、様々なかたちで創作されていった。今回は「餅と酒」「酒と煙草」といったコンテンツがそれぞれどのように展開していったのかに注目しつつ、近世期の展開を提示していった。
 外国の文化に比して、日本文化は歴史的にも、現代にも、人間以外のものをキャラクター化することに特色がある。必ずしも擬人化されるものではなく、妖怪や神の化身として描かれるものも少なくない。中世後期になると、そうした人間以外のキャラクター(異類)同士の合戦物語が開拓されていく。その背景として、『平家物語』を主とする軍記物語の趣向が異類の文芸に取り入れられたことが大きい。その代表的な作品として、『十二類絵巻』や『鴉鷺合戦物語』『精進魚類物語』がある。それらはその後の文芸に影響を与えることとなった。
 こうして、近世に至ると、物語・語り物文芸における一つの潮流として展開し、物語・語り物文芸だけでなく、歌謡(語り歌)・謡曲(謡曲形式の戯文)・絵画(特に浮世絵)等の創作にも波及した。取り分け、赤本以来の草双紙でも瓦版物などと呼ばれる戯作(大寄席噺尻馬シリーズ等)では異類合戦物が好まれ、数々の新作が生まれた。
 その一方で、出版を目的としない創作物の中にも異類合戦物は多様に展開し、近世期の地方文芸の一ジャンルとして見做すことができる。
 また、版本を基にしながら、単に転写されるにとどまらず、大幅に加筆修正された異本も少なくない。更には、それらを台本として、祭礼における神楽(里神楽)として舞台で演じられることもあった。
 近代以降は西洋のSFやファンタジー、近代兵器による戦争物に吸収されていくが、しかし娯楽読み物や寄席の色物芸、地方における語り物文芸(滑稽物やチャリ物)として昭和戦後期まで命脈を保つことになる。
 以上が大きな見取り図である。
 さて、近世期の異類合戦物は、題材として、鳥獣虫魚・草木は言うまでもなく、食物・薬・家財道具・衣服など様々なものが見られる。その中で、〈酒と茶〉〈餅と酒〉〈精進と魚介類〉は中世以来の対立軸であり、異類合戦物を代表するものといえる。近世期は、それらをコンセプトとして、各地の酒・茶・餅(餅菓子)・料理の名が明記されるようになる。ここに、近世期の新しい嗜好品として、煙草の銘も加わり、〈酒と煙草〉という対立軸も成立する。
 その中で、『酒茶論』『酒餅論』『酒飯論』など、近世前期を代表し、戦前から知られた作品については、すでにいくつかの作品論が試みられている。しかしながら、それらは特定の作品を対象にしたものであり、全体を俯瞰すれば、まだ一部に過ぎない。およそ19世紀前半に餅酒合戦をテーマにした作品が数多くみられるようになる。
 これに比して酒煙草合戦は作品的な広がりは見せず、18世紀後半に合戦物と論争物がそれぞれ1点程度しか見出されない。嗜好品の多様化と庶民への浸透の中で、創作のテーマとして定着しなかったのは、餅・菓子や酒とは異なる煙草の文化的な要因があるように思われる。
 なお、『餅酒軍記』『餅酒大合戦』『魚貝英記餅酒合戦』といったいわゆる瓦版物は幾度も改版されていながら、諸本の関係性も解明されていないのが実情だ。今後の課題としたい。

※これは2022年4月24日(日)にオンラインで開催された第120回異類の会の報告です。
※上記の文章を直接/間接に引用される際は、必ず発表者名を明記してください。
※次回は5月29日(日)16時00分オンライン開催です。

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第120回開催のご案内

日時:4月13日(日)16時30分
会場:Zoom
 
タイトル:
近世期異類合戦物の見取り図
発表者:
伊藤慎吾
要旨:
 色々なものが擬人化して、「餅と酒」「酒と煙草」「魚類と青物」「藥と病」など、二つの軍勢に分かれて合戦を繰り広げる物語を異類合戦物と呼ぶ。
 中世後期に軍記物のコンセプトを受け継いで発展していき、近世期には物語文学・語り物文芸・草双紙・話芸・絵画・瓦版・落書など、様々なかたちで創作されていった。
 今回は「餅と酒」「酒と煙草」といったコンテンツがそれぞれどのように展開していったのか、ごく大まかな見通しを提示していきたい。
 
(参考)伊藤慎吾『擬人化と異類合戦の文芸史』(三弥井書店)
 

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タイトル:
民俗事例ZOOM聞き書きの集い 序

発表者:
永島大輝氏


要旨:
 異類の会はオンラインになり毎回数十人の参加になって久しいのですが、『旅と伝説』の大阪民俗談話会みたいなことをしてみたかったのです。『旅と伝説』の通巻八十五号などに談話会の記録が載っているのですが、澤田四郎作が「下駄や草履は午後降ろさぬ」と言う俗信を紹介します。それを受けた岩倉市郎が類例として、アシナカに唾を吐くことを述べれば、それをうけて小谷方明が「蛇をさすと指がくさる」と言われているために「指した時には唾をはく」ということを語る。そんな感じの事をZOOMでやってみようという試みでした。
 結果、やってみたらできた。という感じです。
 事前にアンケートで質問はしておいたのですが、会話の中で記憶がよみがえる人が続出。
 私はこうしたときには自分の解釈などは言わないように努めているので、ひたすら聞いていたつもりですが、それでも一九時までかかり、いつもなら懇親会の時間まで使わせていただきました。
 これはどこかに報告せねばならない、と思っています。
 そして、膨大になるのでほんの少しではありますが、当日の事やアンケート結果を紹介しておきます。本当に一部です。
 アンケートの質問「①家族に聞いた、たぶん民俗学者が喜ぶ話、あるいは体験談」には、参加者の中根さんから「父が小学校(昭和35年前後)のころ、通っていた藤沢小学校(地元の藤沢町、押沢(おしざわ)町、松嶺(まつみね)町の3町の子供が通うが学校。廃校になり現在は通信制高校のルネサンス豊田高が入っている)で、押沢町の子どもから聞いた。藤沢町から押沢町へと抜ける「梅ケ田」(うめがた)と呼ばれる場所に、夕方に山から山へと飛び回る「アカチンボ」が出ると聞いた。これは藤沢小学校全体の噂になった。アカチンボがどんな姿をしているか、人前に現れてどんなことをするかは不明(少なくとも父は記憶していない)。父はその名前から、赤い男性器がロケットのように山の間を飛び回る姿を想像した。父は今も強烈な印象として、その名を覚えている。」というのを送ってくださり、グーグルマップを使い、「アカチンボの出現場所経緯度35.168411, 137.245801」を画面共有で見せてくださいました。
 「②子どものころにどんなもので脅かされましたか。」というアンケートにはたとえば、参加者の野中さんがLINEで友達にもたずねてくださり、「夜早く寝ないと鬼に連れてかれちゃう、おばけに連れてかれちゃう(静岡県静岡市30代女) 夜に口笛を吹くと蛇がくる おへそのゴマをとるとお腹が痛くなる 枕を踏んだり足蹴にすると悪い夢を見る(静岡県静岡市60代女)」など、とてもたくさんの事例(ここに載せたものはやはり一部です)を聞いてくださいました。そういえば、枕に関しては近年に似た話を学生に教えてもらったことがありました。
 また、参加者のsdmさんに「③学校の怪談・職場の怪談」として、「中学では、合唱コンクールでお母さんという曲の指揮をした生徒の母親が亡くなる事件が3年連続で起こり、それ以降お母さんは課題曲から外されたという噂が少し上の世代であったようです。」というものを教えていただきました。確認すると、兄弟姉妹で噂が伝承されているようでした。
「④おまじない・ジンクス、あるいは変わったことわざ、のようなものはなにかありましたか。」に「新しい靴を夜におろしてはいけない」というのが寄せられた。これなどは実は上記の大阪民俗談話会を個人的には思い出していました。
 大勢の参加、協力してくださった方のおかげです。ありがとうございました。
 今回は「中根さん」「sdmさん」「野中さん」のさらに一部の報告です。
 書ききれないくらいたくさんあるのと、これからどこかに資料として報告することを考え、ブログという媒体に載せるのは以上とします。
 繰り返しになりますが、本当にありがとうございました。


※これは2022年3月13日(日)にオンラインで開催された第119回異類の会の報告です。
※上記の文章を直接/間接に引用される際は、必ず発表者名を明記してください。
※次回は4月24日(日)15時00分オンライン開催です。

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第119回開催のご案内

日時:3月13日(日)16時30分
会場:Zoom
 
タイトル:
民俗事例ZOOM聞き書きの集い 序
発表者:
永島大輝氏
要旨:
 基本的に、談話です、そして民俗学徒に発表者に事例を教えてあげる回である、と思ってください。
 尚、その際に出身地や世代、年齢などについてお聞きすることがあるかも知れませんが、答えたくなければ答えなくて大丈夫です。また、オンラインになった異類の会の特性として、何十人もの顔も声も名前も知らない方々の参加がありますので、本名などもなくても良いです。その際に、事前にご家族やご友人に確認しておいていただければと思います。コロナ禍ですが、ご家族にはお話が聞けるかも知れません。もちろん確認されなくとも平気です。
 思い出せることは、もちろん、世代が違えば、新たに家族内での発見もあるかもしれません。

※来聴歓迎!
初めて参加する方は
 TwitterID: @iruinokai
にDM等でご一報ください。

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プロフィール
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異類の会
年齢:
15
性別:
非公開
誕生日:
2009/09/15
自己紹介:
新宿ミュンヘンで誕生。

連絡先:
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