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異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
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日時:5月21日(火)19:00~21:00
場所:青山学院大学 総研ビル6階 14602教室
  ※正門を入ってすぐ右手にある建物

塩川和広氏
「福神の眷属の世界―木幡野の鼠の隠れ里を端緒にして」

 本発表は、お伽草子『隠れ里』に見る鼠の隠れ里を足掛かりにして、16、17世紀にかけての異界観の一端を考察するものである。
 明暦頃の成立と見られる『隠れ里』は、木幡野という地に鼠の隠れ里を設定した。木幡野は平安時代以来の葬送の地でもあるが、中世には異類物の舞台ともされる。木幡野と鼠の隠れ里の繋がり、またそこに投影された理想郷の表現から、お伽草子「福神物」における異類、異界の意義を追求したい。


※どなたでもご自由にご参加いただけます。
 初めて参加を希望される方は、一応、下記にご一報くださるとありがたいです。
 本ブログ右側のプロフ記載の連絡先、もしくは@NarazakeMiwa(ツイッターID)

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 明治時代における妖怪・お化けに関する研究で、最も有名なものは井上円了による妖怪研究であろう。仏教哲学者である円了は『妖怪学講義』『妖怪玄談』などの著作を記し、また1893年には「妖怪研究会」を設立するなど、哲学や科学によって妖怪や迷信、俗信の打破を目指した。これらの研究は明治維新・文明開化による日本の様々な面での西欧化・近代化の大きな流れのうちの一つとしてとらえることができるが、同時に、円了は明治期において最も妖怪やお化けについて詳しい人物でもあった。
 しかし、円了が全国を巡回し、講演会を行い始めた頃に、讀賣新聞紙上でとある会が発足した。それが「化物会」である。

 1907年7月に発足したこの「化物会」は、「お化は居るものとか居ないものとかいう様な野暮な研究にあらず」「昔からあると伝えられたるお化を利用して学術に関する多趣味多方面の新式研究を試むるもの」であると紙面上で盛んに宣伝し、第一回会合には坪井正五郎、芳賀矢一、鳥居龍蔵といった当時の有名な研究者の面々を集めたにも関わらず、同年9月の初めには紙上からほぼ完全に消滅してしまった、謎の会である。しかし、わずか二ヶ月ほどの活動期間の記事には、その当時の妖怪に対する見方や、現代においても重要な記述や指摘などが多くあり、この会の活動について研究することは意義があると思われる。
 当時、井上円了による「妖怪学」が興隆し、円了自身が全国で講演会を開くほどであった。妖怪の実在・非実在や迷信の害についてなど、啓蒙的な学問であった妖怪学に対抗する形で、「お化けを利用して学術に関する多趣味多方面の新式研究を試みる」という別視点からの研究を求めた結果だったと考えられる。
 また、「集古会」や「流行会」に代表されるように、当時の文化人は趣味や学問を共有して楽しむ傾向があったように思われる。「化物会」もその一環だったのではないか。 
 1907年8月30日の讀賣新聞の社告『九月以後の讀賣新聞』に、「三面記事改良」という項があり、『淫猥なるものを避け、毒悪なるものを避け、常に高尚なる材料を選んでかかげ、(中略)一家団欒の席上にて朗読するも決して顔を赤らめたり、不快に感じたるする事なきは本紙三面記事の特徴なり、…』と書かれた。「化物会」関連の最後の記事である『珍怪百種 完』が9月5日であることを考えると、一連の活動は三面記事改良に伴って連載不可になってしまった可能性がある。1908年2月22日の投書欄に『化物研究会は其の後どうなりました 会名が会名だけに立ち消えになりはせぬかと心配しています』という投書があり、読者にも告知なく消えてしまったことが推察できる。
 単純にお化けらしい季節である夏季のみの活動だったのではないかとも考えられるが、仮規則などは長期活動を考えた内容となっているので、短期活動だったとは考えにくい。


以上、毛利恵太氏「明治期の讀賣新聞における「化物会」の活動について」(第36回例会発表)の要旨でした。

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日時:4月20日(土)14:00~18:00
場所:専修大学 神田校舎 一号館 74教室


毛利恵太氏
明治期の讀賣新聞における「化物会」の活動について


要旨:
「化物会」とは、1907年(明治40)に讀賣新聞紙上にて活動を報告していた研究組織である。当時は井上円了を中心とした「妖怪学」が興隆し、円了が全国で講演会を行っていた時期でもある。この時期に「お化は居るものとか居ないものとかいう様な野暮な研究にあらず」という言葉とともに活動を開始し、わずか数ヶ月で新聞紙上から姿を消した化物会とはどのような存在だったのか、それを中心に発表したいと思う。

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石井研堂は異類合戦物をテーマにした『万物滑稽合戦記』を明治34年(1901)に刊行した。本書は今日入手困難であるが、異類物の歴史を考える上で有益な資料だと思われる。そこで本発表では本書の概要とその今日的な価値とについて私見を述べた。
明治期、近世文学があまり顧みられず湮滅するのを危惧して刊行された正続100冊の帝国文庫の1冊として刊行されたものである。
研堂は本書に先行して前年明治33年に続帝国文庫『日本漂流全集』を出している。研堂は日本の漂流文学の先駆者と評されるだけあって、今日でも漂流関係の著述中で言及されることが多い。
しかし『万物滑稽合戦記』については存命中からほとんど評価されずに今日に至っている。
少年向けの読み物多数執筆したこと、戦前の明治文化研究を主導したこと、錦絵の収集・研究、漂流記の収集・読み物化が高く評価されているが、それとは対象的である。
本書に収録される作品はお伽草子・仮名草子・浮世草子・黄表紙・洒落本・戯文である。
これらは戯作とそれ以前の作品、またその周辺の戯文である。
研堂は『明治事物起原』(大正15年改訂・春陽堂版以降)において万亭応賀に代表される明治期の戯作を「低級文学」と酷評しているが、『万物滑稽合戦記』に収録される諸作品はいずれも「低級文学」と評される類のものであり、自身の編著を否定したものとも受け取れる。
ただそれは、西洋文学の影響下に生まれた近代小説に対する相対的なものであったようである。
研堂は児童向け読み物を数多く手掛けたが、中でも『動物会』(明治22年)や「虫国議会」(『小国民』3-13~4-24、明治24~25年、所収)のような、応賀の『虫類大議論』(明治6年)を彷彿させる異類物を創作している。
また『日本全国 国民童話』(明治44年)序文には童話(昔話・伝説の類)の目的は幼童の教育・啓蒙ではなく「心意上に慰安と歓楽」をもらたすことであると説いている。
これは『万物滑稽合戦記』収録作品の価値を「たゞ、あゝ面白いと云ふ勝鬨(かちどき)の声をあげしめんことを期するのみ」という点に求めていることと同じである。
つまり、本書収録の異類合戦物作品は一種の児童読み物として研堂に捉えられていたのではないかと思われる。
研堂の児童向けの作品は『理科十二ヶ月』や『少年工芸文庫』からも知られるように、理科や工作、博物といった面を重視していた。
多種多様な擬人化された生物がそれぞれの特性を生かして合戦を繰り広げる描写は十分その方面の魅力を伝えるものであった。
文学としては低級だが、児童読み物としては意義のあるものと評価していたのではないかと思われる。
では今日における本書の価値はどこにあるのだろうか。
1つはその先駆性である。室町期から幕末期に至る物語作品から擬人化キャラクターたちが合戦を繰り広げるものを収集し、異類合戦物の大枠を捉えている。
もう1つはその資料性である。本書所収の作品はもともと価値が低く、今日散逸してしまったものが多い。本書以外では翻刻されていないものが10作品、現在所在不明のものが5作品ある。
本書によって示された異類合戦物諸編を手かがりに、今後は錦絵類を含めた各ジャンルの該当作品を発掘・蒐集していくことが必要となろう。


以上、伊藤慎吾「石井研堂編『万物滑稽合戦記』の再評価」(2013年3月例会)の発表要旨でした。
4月例会については追ってお知らせします。

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日時:3月12日(火)14:00~17:00

  
場所:専修大学 神田キャンパス 7号館6階763教室
   ※最寄り駅―地下鉄の九段下駅あるいは神保町駅
    7号館―一番高い建物のわきにある、比較的あたらしいグレーの建物

http://www.senshu-u.ac.jp/univguide/profile/access/kanda_campus.html

伊藤慎吾
「石井研堂編『万物滑稽合戦記』の再評価」

要旨
『万物滑稽合戦記』は続帝国文庫の1冊として石井研堂が明治34年に刊行したものである。
近年、お伽草子研究を中心に、中世から近世にかけての〈異類合戦物〉の物語・絵画が注目されるようになってきた。石井はいち早くこれら群小の諸作品を〈万物滑稽合戦記〉というタームで拾い集め、紹介したのだった。
本発表では本書の概要とその意義について所見を述べてみたいと思う。



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2009/09/15
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