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異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
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 本発表では、『簠簋抄』「三国相伝簠簋金烏玉兎集之由来(以下、「由来」)」を取り上げ、まず、その〈秘伝書獲得譚〉としての読みの可能性を示した。

「由来」は陰陽道の秘伝書「金烏玉兎集」が天竺から唐を経て、日本の安倍清明に伝授される過程を描くが、「由来」後半部分で「金烏玉兎集」は、清明の弟子・道満によって奪われてしまう。道満が清明の妻・利花の協力を得、秘伝書を納めた石匣から秘伝書を手に入れる場面は、御伽草子『判官みやこばなし』等において義経が兵法の秘伝書を入手する場面と類似関係にあり、「由来」が、鬼一法眼譚と同種の、〈秘伝書獲得譚〉としての要素を含んだテキストであるということが言えるだろう。

 次に、〈秘伝書獲得譚〉という視点から「由来」を捉えなおし、「由来」の編纂意識に関して考察を行った。
 「由来」には、吉備真備入唐譚や龍宮訪問譚や玉藻前説話といった、先行する安倍晴明伝承とは関連度の低いとされる説話がいくつか含まれているが、秘伝書というキーワードを中心に、それらの説話が連想可能な位置にある説話群であり、「由来」の編纂意識に、〈秘伝書獲得譚〉を始めとした、〈秘伝書にまつわる説話〉という発想が働いているのではないか、という可能性を指摘した。

以上、発表者中野瑛介氏による要旨でした。

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異類の会第31回例会の御案内

日時:11月22日(木)18時30分~

  
場所:青山学院大学・17号館4階1142教室


中野瑛介氏
「『簠簋抄』と中世文学―秘伝書獲得譚としての「三国相伝簠簋金烏玉兎集之由来」―

要旨

『簠簋内伝』の作者は安倍清明を名乗るが、おそらく偽作であり、成立は室町初期と見られる。陰陽道や暦道について書かれた部分の他に、陰陽道の秘伝書・「簠簋内伝」獲得の経緯を描いた「清明序」や牛頭天王の妻問いを描いた「牛頭天王序」などの説話的部分も含まれる。
『簠簋抄』は「三国相伝簠簋金烏玉兎集之由来(以下、「由来」)」と『簠簋内伝』の注釈部分から成る。「由来」は「清明序」に多数の説話を加えて増補した内容となっている。注釈部分にも説話的内容が多分に含まれ、注釈書であると同時に一種の説話集だといえる。
「由来」で追加された説話には龍宮訪問譚や玉藻前説話、近世には説教節『信太妻』などとして展開する信太明神の説話など、異類と関わるものが多い。

これまで「由来」は「安倍清明の一代記」として読まれてきたが、今回の発表では、これまでとは異なる読みを行い、龍宮や玉藻前説話等とも絡めながら、秘伝書獲得譚としての「由来」の解釈を試みる。

※初参加の方は、下記にご一報くださいませ。
 @NarazakeMiwa(ツイッターID)

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 本発表では、鰐(ワニ)と共に虎が登場する説話を取り上げ、鰐(ワニ)の認識の虎に対する認識との連関に着目しつつ、その諸相を検討した。
 『今昔物語集』・『宇治拾遺物語』や「月のねずみ」説話に見られる鰐(ワニ)と虎の説話からは、両者が対立関係にあるものとして捉える認識と、相互に近しい性質を持つ存在と捉える認識とが看取された。こうした認識は漢籍の知識に基づくものであったと思われる。ただし、『今昔物語集』や『宇治拾遺物語』では、上代以来の海魚の認識で鰐(ワニ)を捉えながら、漢籍的な世界の描出を試みている。そのため、上代的な「ワニ」の認識と、漢籍的な「鰐」の認識の鬩ぎ合いが看取される。例えば、その表現空間が齟齬をきたして、不自然になっている点が幾つか認められる。また、虎と鰐(ワニ)が決闘をする説話に於いては、両者は最早、漢籍に見られたような山川の動物の争いではなく、対立関係の背後に「陸と海」という壮大な二元的世界観が付随するようになっている。
  ところで、発表者はこの度、ベトナム漢文小説の中に、『今昔物語集』・『宇治拾遺物語』所載の虎と鰐(ワニ)が決闘する説話の類話を見出した。双方の表現分析を踏まえ、この説話が近世に於ける朱印船貿易を通して、日本からベトナムへ伝播した可能性を指摘した。


以上、発表者杉山和也氏による要旨でした。

次回詳細は近々ご案内します。

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第30回異類の会例会

日時:6月26日(木)18時00分~
  
場所:青山学院大学・17号館3階17301教室
   *初めて使う新館です。いつもと違いますので、ご注意を!



杉山和也氏
「続・日本に於ける鰐(ワニ)の認識」

要旨

中古・中世の古典文学登場する動物「鰐(ワニ)」に関して、必ずしも実在の生物としては理解し得ず、空想的な生物としか言いようのない例が見受けられること。そして、その空想的生物としての鰐(ワニ)の認識には、多様な展開が認められることについては既に指摘した(拙稿「日本に於ける鰐(ワニ)の認識」『説話文学研究』46号、2011年7月)。

本発表では、前稿では触れることの出来なかった鰐(ワニ)の用例の紹介をしつつ、その認識の諸相を再検討する。

なお、初参加の方は、下記にご一報ください。
@NarazakeMiwa(ツイッターID)

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 室町期には馬の医療に関する馬医書が多く記された。馬医書に関しては、従来獣医学史方面からの研究が盛んであったが、五行理論に基づき、症状や治療法が記される一方、呪歌も多く含むなど、人文学領域からの研究の進展が期待される。
 本発表では、内閣文庫蔵『馬傳秘抄』(写本十七冊)に収載される『安驥最要抄』を取り上げた。
 『安驥最要抄』は冒頭に五臓論について記し、それに沿った療治法を一つ書き形式にて記している。末尾には呪歌も記される。
 『安驥』『壒嚢鈔』に「小河ノ乗澄」の作として『安驥』という名の書が記されることをはじめ、馬医書の中に「小河僧正」の名が散見されること、「安西流」を称する馬医書・馬医巻物においては「小河僧正」から「安西播磨守」が相伝されたとすることなどを指摘し、室町期における『安驥』という書と「小河」に纏わる馬医秘傳の言説を想定した。
 また、内閣文庫本『馬傳秘抄』は外題と内題の乖離が甚だしく、同傾向の陽明文庫所蔵の馬医書群も含め、伝来の検討を今後の課題として挙げた。



以上、発表者大坪舞氏による要旨でした。
なお、本書について不定期に輪読会を始めました。
ご関心のある方はご一報ください。

さて、次回は来月下旬に開催します。
詳細は近々ご案内します。

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