異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
本発表では、日本の古典作品に登場するクジラに関する認識の諸相を概観した。従来、古典文学に見られるクジラは現実の生物の問題のみに還元して考えられがちであったが、必ずしもには現実のクジラの問題のみには還元できない問題を多く孕んだ存在であったということが確認できた。
漢籍の「鯢」字の解釈の問題に端を発して、空想的存在としてしか説明のつかない四つ足の大魚としてのクジラ像も生み出された例に顕著なように、日本に於けるクジラの認識、ひいては日本に於ける自然認識というものは、必ずしも日本人が実見できる自然環境との対話のみから育まれた訳ではなかったことが窺える。漢籍や仏典の情報、或いは日本の古典の知識に基づいて再解釈され、また読み替えられることによって、在来の自然認識が多分に異なった、新たな自然認識が創成されていったものと思われる。
以上、発表者杉山和也氏による要旨でした。
次回は1月28日18時、国学院大学にて開催します。
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作品の概要を取り上げ、ネーミングについて解釈を加える。
本作品は続帝国文庫の万物滑稽合戦記にも翻刻されているが、それは2巻本である。 これに対して、架蔵本は3巻本。 どちらも馬喰町の吉田屋小吉板で、どちらが先行するのは不明。 おそらく3巻本であろう。 もともとストーリーとは関係なく、機械的に3巻に分けたものを、後に中盤のストーリーの切れ目のいいところで分けて2巻本にし、その際、後半を「世帯平記諫略巻」と改題したのだろうと思われる。
なお、ネーミングについては下記の記事を参照されたし。
http://blogs.yahoo.co.jp/warszawa11045/20545047.html
以上、発表者伊藤慎吾による要旨でした。
次回は12月27日13時、新宿にて開催します。
詳細は追ってお知らせします!
本作品は続帝国文庫の万物滑稽合戦記にも翻刻されているが、それは2巻本である。 これに対して、架蔵本は3巻本。 どちらも馬喰町の吉田屋小吉板で、どちらが先行するのは不明。 おそらく3巻本であろう。 もともとストーリーとは関係なく、機械的に3巻に分けたものを、後に中盤のストーリーの切れ目のいいところで分けて2巻本にし、その際、後半を「世帯平記諫略巻」と改題したのだろうと思われる。
なお、ネーミングについては下記の記事を参照されたし。
http://blogs.yahoo.co.jp/warszawa11045/20545047.html
以上、発表者伊藤慎吾による要旨でした。
次回は12月27日13時、新宿にて開催します。
詳細は追ってお知らせします!
『精進魚類問答』は精進物と魚類、すなわち野菜や植物素材の料理と魚介類を主とする海産物との争いを主題とする江戸後期の戯作である。作者は吉田可水という伝未詳の人物である。この作品がどこで作られたのかもよくわからない。しかし、本文をつぶさにみると、ある程度は見当が付けられそうである。
以上、発表者伊藤慎吾による要旨でした。
次回は明日です!時間・場所は同じ。
まず南京坊一官というキャラクターがいるが、これは野菜の南京の擬人化である。南京というのは今日でいうカボチャであり、今でも関西地方ではナンキンという呼び方がある。
さらに絞り込んでみると、たとえば大麦大納言の一子として「ひらかしの助酢五郎」というのが出てくる。「ひらかし」というのは「ひらかす」という動詞で茹でるという意味。今でも福岡地方で使われているようである。「ひらかし麦飯」という日常食がかつて当地方で食べられていた(『聞書 福岡の食事』)。麦は大麦の一種だから、これを大麦の一子とするのは、ひらかし麦が前提としてあるからだろう。
このほかにも海苔尽くしの一節があるのだが、そこには「菊池のり」が出てくる。これは肥後、今の熊本県の菊池川で採れる海苔のことである。「平すの鰤助」の「平す」は長崎地方でいうブリ。
このように、本作品に見られる擬人名からは九州地方特有の語彙が散見される。してみると、その成立が九州地方である可能性は非常に高いと考えられるのである。
以上、発表者伊藤慎吾による要旨でした。
次回は明日です!時間・場所は同じ。
第13回例会のご案内です。
日時 10月29日(金曜日) 午後6時
場所 国学院大学
※会場となる教室は3407号室です。
3号館4階にあります。
待ち合わせ場所は次の通りです。
学術メディアセンター(図書館が入っている建物)
1階ラウンジ
http://www.kokugakuin.ac.jp/content/000007812.pdf
伊藤慎吾
『精進魚類問答』の紹介
近世、擬合戦物語が数多く作られた。
『平家物語』『太平記』の影響の見られるものが多いが、その中でお伽草子『精進魚類物語』の系譜もまた見受けられる。
今回紹介する『精進魚類問答』もその一つと言えよう。
これは浄瑠璃風の叙述をとった異類合戦物語である。
伝本が架蔵の1本しか確認されず、その成立の時期や事情が判然としない。
そこで全文を翻刻して紹介し、参加者の意見を乞いたいと思う。
日時 10月29日(金曜日) 午後6時
場所 国学院大学
※会場となる教室は3407号室です。
3号館4階にあります。
待ち合わせ場所は次の通りです。
学術メディアセンター(図書館が入っている建物)
1階ラウンジ
http://www.kokugakuin.ac.jp/content/000007812.pdf
伊藤慎吾
『精進魚類問答』の紹介
近世、擬合戦物語が数多く作られた。
『平家物語』『太平記』の影響の見られるものが多いが、その中でお伽草子『精進魚類物語』の系譜もまた見受けられる。
今回紹介する『精進魚類問答』もその一つと言えよう。
これは浄瑠璃風の叙述をとった異類合戦物語である。
伝本が架蔵の1本しか確認されず、その成立の時期や事情が判然としない。
そこで全文を翻刻して紹介し、参加者の意見を乞いたいと思う。