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異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
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日時:1月11日(土)14時
会場:武蔵大学3号館2階3201教室(院生GS)
   ※最寄り駅=西武池袋線江古田駅/西武有楽町線新桜台駅/都営大江戸線新江古田駅

発表者:一條宣好氏
題目:南方熊楠の昔話研究―「鼠の嫁入り」を例として

要旨:
博物学者・南方熊楠が変形菌(粘菌)や仏教哲学などと同様に力を入れて研究に取り組んだものに昔話があった。
語学の才能と該博な知識、記憶力を活用して行った比較研究は興味深いものであり、類似する事例をいち早く指摘することにかけては彼の独壇場だった。
今回は熊楠が執筆した昔話「鼠の嫁入り」に関する諸論考の内容を紹介、その視点や手法を検証し、研究史における位置づけを行う。


※来聴歓迎!
※1月5日14時、南方熊楠顕彰館で「十二支考<鼠>談義」という講演会(というか、トーク・セッション)があります。こちらもぜひご参加ください。


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「南方熊楠と鼠の文学史」

発表者:伊藤慎吾

要旨:
鼠は日本人が文字を獲得し、文学を創作するようになると、単に害獣としてだけでなく、鼠の生きる見えない世界を想像し、また古くから感じていた霊性も、民間信仰や仏教の展開に伴って文学作品に様々に描かれるようになった。
南方熊楠は、大正12年(1923)、雑誌『太陽』に掲載すべく「鼠に関する民俗と信念」を執筆した。結局、これは掲載中止となった。差し戻された当該原稿からは幾つかの論考がさらに派生的に作られた。
これらの論考に共通するのは、古今東西の文献を縦横に使いながら鼠の諸相を考察していることである。諸相というのは、具体的には鼠の嫁入り・鼠の報恩・鼠除けのまじない・異名「ヨメ」・子の日・正月の掃除・甲子祭の装束 ・鼠の妖怪・白鼠・鼠の神・大黒天・大黒(住僧の妻)・毘沙門天・作物被害・武具の鼠損などだ。
これらを取り上げる場合、熊楠には文学史的な関心が極めて低かった。古典文学に描かれた鼠の中で、熊楠の関心を惹いたのは、古代以来の白鼠の聖性、中世以来の大黒天との関わり、福神信仰との習合程度のことであった。詩歌の題や鉄鼠、月日の鼠、擬人化といった文学史的に重要な側面については無関心であったといえる。
文学資料を渉猟しながら、それらを和漢洋の古今の文献と同等に、質の違いに注意を払うことなく扱ったのであった。

※以上は2019年11月30日の発表要旨です。

なお、1月5日に南方熊楠顕彰館で「十二支考<鼠>談義」という講演会(というか、トーク・セッション)があります。
伊藤と一條宣好さんも話をします。
ぜひご参加ください。


次回の例会は1月11日(土)14時から武蔵大学で開催します。
発表者は一條宣好氏です。

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日時:11月30日(土)17時30分~19時30分
会場:新宿区若松地域センター 第2集会室B
   ※最寄り駅=都営大江戸線若松河田駅(河田口より徒歩2分
 
発表者:伊藤慎吾
 
タイトル:南方熊楠と鼠の文学史
要旨:
戦前の博物学者南方熊楠は十二支に関わる動物の一つとして鼠を調べ、「十二支考」の一編として論考をまとめた。
他の「十二支考」論考と同様に古今東西の文献を縦横に使いながら、本論でも鼠の諸相を考察している。
雑誌掲載を見送られたこの論考から、さらに派生した未発表・未定稿の草稿が数種残っている。
本発表では、鼠の文学史を概観しつつ、これら熊楠の鼠論考を整理し、日本文学史研究の視点からその意義を考えていきたい。



※来聴歓迎!

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山梨県長源寺『蟹坊主』伝説について」

発表者:田中教如氏
要旨:
山梨県の中心部、山梨市の万力にある「長源寺」という曹洞宗の寺院には「蟹沢山」という山号が付いており、それに合わせるように『回国の僧が蟹の化け物を退治した』という伝説が縁起として残されている。
伝説の内容としては、
『夜な夜なこの地に化け物が現れて人々が苦しんでいたところ、密教の法印がそれを退治しようとやって来る。法印は「両足八足大足二足横行自在」の問答に打ち勝つことにより、化け物の正体を蟹だと見破り、独鈷で蟹の殻を叩き割る。倒された蟹からは千手観音が現れ、その後法印は「ここは禅林の地だ」といって曹洞宗の僧に頼み、ここに長源寺を建てた。』
というものである。
由緒書きによるとその密教の僧は『中山救蟹庵主』なる人物であるらしいのだが、今一つ調べてもどんな人物なのかはっきりとしない
更にこの伝説に似た話は各地に存在しており、殆どが曹洞宗や禅宗に関わるものであった。やはり『問答』という要素と禅宗は切っても切り離せないのであろう。
そこで問題になってくるのが、何故長源寺の蟹坊主伝説は曹洞宗の話であるのに、主人公は密教の法印であるのかということである。これは、堤邦彦『近世説話と禅僧』に見られるように、曹洞宗の布教活動、地方進出の作戦のひとつではないかと結論付けた。
曹洞宗は地方に根を広げるにあたって、土着の宗教がそのまま曹洞宗の外護者であったという伝説を作ってしまうことがよくある。
つまり、密教と禅宗が混ざりあったようなこの不思議な伝説は、元からその地方に根付いていた密教を、あとから進出してきた曹洞宗が、形を変えずにそのまま飲み込むための方法だったのである。

(発表者談)
私が発表させていただいたのは、ひとまずここまでであったのですが、質疑応答で・鉄人伝説と共通するところがある・問答に漢字の知識を前提としている等々、様々な有意義なアドバイス、助言を頂き、まだ調べが甘かったことを痛感いたしました。調べる範囲も多く、今後研究を続けていくとすれば、何かしらテーマを絞り、そこを深く掘り下げていくような研究をしていきたいと思いました。御静聴ありがとうございました。
(以上、発表者識す)

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日時:10月26日(土)14時
会場:武蔵大学3号館2階3201教室(院生GS)
   ※最寄り駅=西武池袋線江古田駅/西武有楽町線新桜台駅/都営大江戸線新江古田駅
 
発表者:田中教如氏
タイトル:
山梨県長源寺『蟹坊主』伝説について
要旨:
山梨県山梨市万力という場所に『蟹沢山長源寺』という曹洞宗の寺院があり、そこには縁起として『蟹の化け物に問答を出され、それに答えて化け物を調伏した』という伝説が伝わっています。
化け物に問答を出される話は数々ありますが、しかし長源寺の伝説は少し変わっており、曹洞宗の寺院でありながら伝説の主人公は『密教の僧』でありました。
その違和感を元に、文献資料やフィールドワークでお聞きした話等を合わせ吟味し、長源寺の蟹坊主伝説の発祥と変遷について考察するレポートとなっております。


※来聴、歓迎です。

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2009/09/15
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新宿ミュンヘンで誕生。

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