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異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
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日時
7月29日(水)14時

会場
國學院大學若木タワー10階打ち合わせ室
http://www.kokugakuin.ac.jp/guide/access_shibuya.html

発表
佐伯和香子氏「狐憑きをめぐる諸問題―クダ狐を中心に」
要旨
菅江真澄の『かたゐ袋』(寛政元年〈一七八九〉)には、トウビョウ、人狐、犬神、クダ狐の名前が挙がっている。
いずれも人に憑くとされた動物たちである。出雲や岩見に見られるトウビョウは小さな蛇、同じ国の人狐はイタチのようなけもの、犬神は小さな犬、信濃のクダあるいはクダ狐は人狐と似ており、同じものかと述べている。
ここからは、近世にはさまざまな種類の「憑きもの」が跳梁跋扈していたことと、それらは地域によって特色があったことがわかる。
真澄は天明三年(一七八三)の日記『いなのなかみち』にクダ狐に関するさらに詳しい記述を残しているが、これ以外にも近世におけるクダ狐に関する資料は多い。
今回はこのクダ狐を中心に、その使役者について考えてみたい。


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異類同士の合戦をテーマにした物語を異類合戦物という。餅×酒、野菜×魚、獣同士、虫同士などがあり、もっと狭い範囲では淡水魚×海水魚、山の野菜×里の野菜、京の織物×関東の織物などの対立軸がある。こうした異類合戦の物語は中世後期から幕末明治期にかけて文芸世界でさまざまに展開していった。その流れの中で以下の3つの問題を取り上げた。
(1)事実譚としての異類合戦物
異類の合戦は、古来、話題性のある出来事であった。ただし古代から中世前期にかけては、まだ珍事として説話化されるに過ぎなかった。それらの珍事を文芸として昇華することは、『平家物語』などの軍記物語のパロディという趣向が生み出される中世後期を俟たねばならなかったと思われる。そして近世は戯作、戯文が広く開拓されていき、『宮川舎漫筆』に引用されているような戯文も容易に創作されるようになった。
(2)対人型―退治できない異類との戦い
異類合戦物は異類同士を前提とするが、中には早物語「清盛蜂合戦」のように人間と蜂の戦いを描いたものがある。一般に人間と異類との戦いというのは、人間が人間を襲う異類を〈退治〉するという異類退治物として捉えられる。ところが「清盛蜂合戦」のような物語は〈退治〉に主眼が置かれているのではなく、〈合戦〉が主であって、退治できたかどうかといった結末は重要ではない。このように異類と戦う人間が英雄でもなく、異類側が退治されるのでもないということであり、また合戦自体をテーマとしていることである。こうした人間対異類の合戦は、基本的に異類同士の〈異類合戦物〉に類するが、一方が人間というタイプであることから、これらの物語を便宜〈異類合戦物・対人型〉と呼びたい。
(3)擬人名と戯人名
異類合戦物においては、少なくとも主要キャラクターには固有名詞が与えられる。魚のブリならば「鰤丹後守」(『魚太平記』)、虫のホタルならば「蛍左衛門尉尻照」(『諸虫太平記』)などである。これを擬人名という。ところが人間世界で人間に名付ける名前にこうした擬人名に類する名前を付ける作品が散見される。たとえば「小倉又兵衛忠酔」(『水鳥記』)は酒の擬人名ではなく、ただの酒好きな人の名前である。こうした非現実的な物語』と同様に擬人名のように見える。しかし、物語世界は擬人化世界といいがたい。かといって、通り名や源氏名と理。こうした擬人化キャラクターのネーミングに類する、しかしながら人間に与えられた名前を、従来から使われてきている〈戯年号〉(←偽年号)に準じて〈戯人名〉と呼んでおきたい。(文・伊藤慎吾)

以上、異類の会第54回例会(2015年6月13日・於大東文化大学)発表の要旨です。

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日時:6月13日(土)17時(16時から入室可)
会場:大東文化会館 K-403教室
http://www.daito.ac.jp/file/block_49513_01.pdf

伊藤慎吾
「異類合戦物をめぐる二、三の問題―事実譚・対人型・戯人名―」

要旨
異類同士の合戦をテーマにした物語を異類合戦物という。餅×酒、野菜×魚、獣同士、虫同士などがあり、もっと狭い範囲では淡水魚×海水魚、山の野菜×里の野菜、京の織物×関東の織物などの対立軸がある。こうした異類合戦の物語は中世後期から幕末明治期にかけて文芸世界でさまざまに展開していった。
こうした流れを俯瞰したとき、幾つか気になる問題がある。
第一に事実譚との関わりである。物語文芸のテーマとしての異類合戦物はお伽草子の時代に増えるが、蛙や蟻、雀の合戦は平安期から都鄙で実際に目撃され、伝聞記事として記録されてきた。こうした事実譚との関わりはどうなのか。
第二に人間との戦いを描く説話・物語の位置付けである。異類合戦物は異類同士を前提とするが、中には「清盛蜂合戦」のように人間と蜂の戦いを描いたものがある。一般に人間と異類との戦いというのは、人間が人間を襲う異類を〈退治〉するという異類退治物として捉えられる。ところが「清盛蜂合戦」のような物語は〈退治〉に主眼が置かれているのではなく、〈合戦〉が主であって、退治できたかどうかといった結末は重要ではない。このように人間が異類と戦いながらも退治をテーマとしない物語をどう捉えるべきか。
第三に名前の付け方と世界観の問題である。異類合戦物においては、少なくとも主要キャラクターには固有名詞が与えられる。魚のブリならば「鰤丹後守」、虫のホタルならば「蛍左衛門尉尻照」などである。これを擬人名という。ところが人間世界で人間に名付ける名前にこうした擬人名に類する名前を付ける作品が散見される。たとえば「小倉又兵衛忠酔」は酒の擬人名ではなく、ただの酒好きな人の名前である。こうした非現実的な人名を用いる作品と異類合戦物との関わりはどうなのか。
以上、3つの問題について考えていきたい。

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今回は、古典文献資料と絵画資料の二点から、「ネコマタ」の描写の変遷を追った。
「ネコマタ」の初出である『明月記』の記述や有名な『徒然草』からは、「ネコマタ」の外見的特徴としての「二股に分かれた尻尾」というものは存在せず、犬のように大きな害獣という扱いをされていた。そして時代が下り、江戸時代初期頃になってきて、段々と「二股に分かれた尻尾」の記述が見られるようになり、「ネコマタ」という言葉の由来をその「二股に分かれた尻尾」とする記述もされるようになり、以降それが定説として扱われるようになった。
絵画資料においては少々異なり、江戸初期頃の本の挿絵に「二股に分かれた尻尾」を持つ猫の怪の絵が登場するが、それ以降も一本の尻尾しか持たない猫の怪や、そもそも尻尾の描写が省略されている(着物を着て、裾に隠れている)猫などが描かれており、定型化されていない。
「ネコマタ」という語の語源に関して、今回は二つの推測例を上げた。猫の古語的読みである「ネコマ」からの転化と、「猱」という字からの由来の二つの説である。
「二つに分かれた尻尾」の由来としては、御伽草子などで知られる「玉藻前物語」の古い記述を紹介した。今でこそ一般においては「九尾の狐」と認識されている玉藻前だが、中国からの「九尾狐」伝来以前は、「二本の尾を持つ狐」と記述されていた。この設定が、後に猫の怪である「ネコマタ」に派生したのではないか、という推測である。
今回の発表は確たる証拠に乏しい点が多く、今後のより精密な調査を必要とするものだが、少なくとも「ネコマタ」の最大の特徴であるとされる「二つに分かれた尻尾」が後世に何らかの要因によって後付けされたものである、という事は結論として言えるのではないかと思う。(文・発表者 毛利恵太氏)

以上、異類の会第53回例会(2015年5月2日・於大東文化大学)発表の要旨です。

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日時:5月2日(土)14時(13時から入室可)
会場:大東文化会館 K-403教室

毛利恵太氏
「ネコマタと猫妖怪の尾の描写について」

要旨
猫の妖怪として、まず連想されるものがバケネコとネコマタであろうと思う。
「ネコマタ(猫又、猫股など)」とは、一般には「長い年月を経て、尻尾が二股に分かれた猫の妖怪」として知られている。現代においても「尻尾が二股になった猫の妖怪」というイメージは広く浸透しており、最近のキャラクター描写にもよく用いられる要素である。
しかし、「二股に分かれた尻尾」という外見的特徴から「ネコマタ」という名前が付けられた、とする説には疑問が残る。むしろ「ネコマタ」という名前から「二股の尻尾」という特徴が創作されたと見るのが流れとしては正しいのではないだろうか。
今回は古典文献や絵画資料などから、ネコマタとその尻尾についてどのようなイメージがあったか、それぞれの描写の変遷を辿って行きたい。

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非公開
誕生日:
2009/09/15
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新宿ミュンヘンで誕生。

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