異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
人間以外の生物や無機物を擬人化して物語中でキャラクターに仕立てることは前近代から数多く見られる。これらの物語には合戦をテーマとしたものが少なくない。近世には挿絵を伴うものが散見され、それらには甲冑姿で表現された擬人化キャラクターが描き出されている。擬人化の対象となる素材の示し方には兜と指物に甲冑ならではの特徴がある。本発表では、その特徴がどこに由来するのかを考えてみた。
まず、変り兜は前立が主流であるのに対し、擬人化は頭形、頭立が主流と指摘することができるだろう。
一方、指物を用いた擬人化表現は、当時の現実の指物を模倣していることが考えられる。
また、頭部にモティーフを描くものは、古代中世の神像からの流れも汲んでいると思われるが、しかしそれ以上に、筒が現実の武具に由来しているように、兜もまた現実の兜、とりわけ変り兜を模倣したものと見るのが相応しいのではないかと考える。同一作品中に旗指物があることを考え合わせれば、絵師からすれば兜もまた武具の一環として捉えられていたのだろう(文・伊藤慎吾)。
以上、異類の会第57回例会(2015年9月15日)の発表要旨です。
まず、変り兜は前立が主流であるのに対し、擬人化は頭形、頭立が主流と指摘することができるだろう。
一方、指物を用いた擬人化表現は、当時の現実の指物を模倣していることが考えられる。
また、頭部にモティーフを描くものは、古代中世の神像からの流れも汲んでいると思われるが、しかしそれ以上に、筒が現実の武具に由来しているように、兜もまた現実の兜、とりわけ変り兜を模倣したものと見るのが相応しいのではないかと考える。同一作品中に旗指物があることを考え合わせれば、絵師からすれば兜もまた武具の一環として捉えられていたのだろう(文・伊藤慎吾)。
以上、異類の会第57回例会(2015年9月15日)の発表要旨です。
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