忍者ブログ
異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
117  116  115  114  113  112  111  110  109  108  107 
室町期に書かれた後崇光院伏見宮貞成親王の日記『看聞日記』に見える、建物への異類の侵入(「異類侵入譚」)を通して、各異類に対する貞成の通念を探った。
その多くは、侵入を災いの前兆と捉えていた。烏の侵入は、後の自身の出家と結び付けられ「得度之怪異」とされ、犬は侵入とともに小便をしたことを祓の対象とされた。また、『小右記』や『殿暦』といった室町期以前の古記録にも、犬の侵入と小便は「怪」として古くから災いの前兆と捉えられていたことが分かった。
しかし、鶯の侵入は「嘉瑞」であるとされた。これは「遷喬」の観念が影響していると考えられる。貞成自身、御集『沙玉和歌集』において「遷喬」の観念を詠んだ和歌が残されており、この観念を貞成が認識していたことが窺えた。
また牛の侵入に関しては、事実としての侵入と夢想での侵入の用例が見え、夢想では牛が「疫神」として描かれていた。これは牛頭天王などとの関連が考えられ、今後さらに調査を進めていくべき課題である。
また、吉凶を判断する人物の各異類に対する観念が「異類侵入譚」に大きく関わってくるであろうことが分かった。今後は、陰陽道などの方面からも異類ごとの観念・先例などを調査をする必要があるであろう(文・河田翔子

以上、異類の会第56回例会(2015年8月26日)の発表要旨です。

次回予告
9月15日(火)14時
大東文化会館4階 K-403教室
伊藤慎吾「前近代の擬人化キャラクターの甲冑姿の特徴について」

拍手

PR
この記事にコメントする
名前
題名
文字色
電子手紙
ウェブサーバーの識別名
論評
合言葉   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 22 23
24 25 26 27 28 29 30
フリーエリア
最新コメント
[10/24 浅井悠太]
[10/24 木下 誠]
[09/26 永島大輝]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
異類の会
年齢:
15
性別:
非公開
誕生日:
2009/09/15
自己紹介:
新宿ミュンヘンで誕生。

連絡先:
gijinka☆way.ocn.ne.jp
(☆を@にかえてください)
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
異類の会 Produced by 異類の会  AD :忍者ブログ [PR]

SimpleSquare 和心 ver.2 Edit by : 飛雄