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異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
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日時 9月26日(金)19:00-21:00
会場 青山学院大学 総研ビル(14号館)五階 14501教室

中野瑛介氏
「予言獣「件(くだん)」と『ホキ抄』所収の「件(ケン)」説話」

要旨:
 「件(くだん)」とは、豊作や疫病などの予言を行う、人面牛身の異類である。近世のかわら版や、各地の伝承の中に見受けられ、文学や民俗学などの領域で研究が行われてきた。
 これまでの研究において、「件(くだん)」を伝える資料として挙げられてきたのは、江戸時代後期以降のもののみだったが、発表者は、室町時代末から江戸時代初期頃に成立したとされる陰陽道書『ホキ抄』巻二「○十二支之事」の記事中に、「件(くだん)」とよく似た特徴を持つ、「件(ケン)」にまつわる記述を発見した(『ホキ抄』の「ホキ」は本来漢字だが、変換されない可能性が高いため、カタカナで表記した)。
 今回の発表では、『ホキ抄』の「件(ケン)」説話を紹介し、「件(くだん)」伝承との関係性を考察する。

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申し子の本質的な親は神仏であり、そのため申し子たちはさまざまな異常性をもってこの世に生まれてくる。
しかし、お伽草子「一寸法師」では、申し子の異常性が両親から 「化物風情」という言葉で否定されている。
なぜこのような否定が生じるのか。鬼子として生まれる申し子が登場する「弁慶物語」を比較材料としながら 検討した。
また、お伽草子以降現代に至るまでの「一寸法師」テキストをとりあげ、一寸法師を授かった両親の思いがどのように変容しているのかを確認した。(文・発表者 佐伯和香子氏)


以上、異類の会第45回例会(2014年7月25日・於青山学院大学)発表の要旨です。

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 お伽草子作品『花鳥風月の物語』は、月と花の戦を描いた異類合戦物である。本発表では、花方の勢揃え場面に見られる「花尽くし」を中心に取り上げ、季語に注目しつつ物語の構造を解析した。
 物語は、秋を象徴する月と、春を象徴する花との座敷論という「春秋優劣論」に始まる。着到付の場面では、まず、到着順に春の花々が挙げられ、次に諸国の軍勢として夏・秋の植物が紹介される。ここから、花の中でも春の花々が主力であることが分かる。一方、月方へは月や星が馳せ参じ、天の川原に陣を取る。合戦の場面では、「秋の野の郎等露草(別名:月草)」対「仲秋の名月」という構図となり、深手を負った満月は片破月となる。この場面では「秋対秋」あるいは「月対月」となっている。互いに犠牲を出し、落首などの遣り取りがなされるが、最後は嵐という「秋」の援軍によって月方の勝利が決まった。花は散り行き、月も天に帰り天下太平となる。伝統的な春秋優劣論の系列と同じく、秋の勝利による幕引きである。
 本文にはおよそ三十三種の植物名が織り込まれている。今回は『枕草子』『源氏物語』『徒然草』における「花尽くし」と比較し、また『花情物語』『浄瑠璃物語』『胡蝶物語』などお伽草子作品との共通点も指摘した。また、少なくとも五箇所以上に『和漢朗詠集』の影響が見られる。先行研究では、『和漢朗詠集』をもじった落首に「落花不語」の語がないことから「直接参看したものではない」との指摘があるが、発表者はしほりんたう討死の場面に「落花不語」が見えることから意図的に改変した可能性を述べた。
 本発表では、登場人物(植物や自然現象)の季語から作品を読み解いた。その結果、『花鳥風月の物語』は短編の物語ながら「物尽くし」の手法によって、場面ごとに対比効果と抑揚を生み出していることが分かった。(文・発表者 北林茉莉代氏)


以上、異類の会第44回例会(2014年4月25日・於青山学院大学)発表の要旨です。

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日時 7月25日(金)19:00-
会場 青山学院大学 総研ビル(14号館)五階 14511教室

発表 佐伯 和香子氏
「申し子の異形性―一寸法師を中心に―」
お伽草子「一寸法師」において、申し子である一寸法師は両親からその容姿を「化物風情」と嘆かれた。申し子の異常性を「人ではないもの」として否定的に受け止めるこのようなありかたが、なぜ物語の中にあらわれてくるのか。お伽草子から現代にいたるまでの「一寸法師」テキストを眺めながら考察する。

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日時:4月25日(金)19時
会場:学習院女子大学4号館1階 日本文化学科会議室

発表:北林茉莉代氏
タイトル:『花鳥風月の物語』における物尽くし

要旨:
『花鳥風月の物語』は、室町期に成立した異類合戦物の作品である。花月元年、月をはじめとする軍勢と、草花の軍勢による戦があった。互いに犠牲を出し、落首などの遣り取りの末、月は天に戻り花は根に帰る、という物語である。本発表では、着到の場面に見られる「物尽くし」に注目し、『枕草子』『徒然草』『浄瑠璃物語』などの作品の物尽くしを参照しながら、本作品の特徴について考える。


※本作品は『室町時代物語大成 第三』に収録されています。



交通アクセス(副都心線・西早稲田駅)
http://www2.gwc.gakushuin.ac.jp/about/access.html
キャンパスマップ(4号館=4)
http://www2.gwc.gakushuin.ac.jp/about/campusmap.html

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