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異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
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第129回開催のご案内

日時:1月22日()15時00分
会場:オンライン(Zoom)開催
 
タイトル:
見えない来訪神:首切れ馬再び

発表者:

永島大輝氏

要旨:
 来訪神は、異類だ。
 見方によっては人生儀礼であり、年中行事だ。祭礼でもあり、口承文芸、俗信、あるいは食事や身にまとうものや歌なども関わってこよう。まれびとだとか妖怪だとかそんな言葉でもあらわしてみたくなる。そういう雑多なジャンルの「萃点」にもなるだろう。
 今回は下甑島の調査報告から、いくつかの考えを述べる。


※来聴歓迎!
初めて参加する方は
 TwitterID: @iruinokai
にDM等でご一報ください。

 

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第128回のご案内

今回は年末の談話会ということで、色々な話題を5~10分くらいで出していきます。

日時:12月18日(日)15:00
会場:オンライン(Zoom)

⬛️古典部門
斉藤竹善:『雑譬喩経』の中の鬼の宝物について
池上保之:『吉野拾遺』の『徒然草』利用について
杉山和也:(録画)ポルトハイム財団民族学博物館蔵『舌切雀絵巻』について
      ――嶺田楓江と舌切雀説話――
伊藤慎吾: 江戸後期異類合戦物の新出資料―『世帯平記看略巻』の版木―
 
~10分休憩~
 
⬛️歴史・民俗部門
羽鳥佑亮: 貧乏神はなぜ団扇をもつのか?
林京子:(録画)孫太郎の探索
磯野康孝: 金井観音小考 -昨今の歴史整備事業の問題点など-
間所瑛史:足立区の蛇橋伝説について
怪作戦テラ:船幽霊と柄杓 柄杓で水を求める事例詳細、漁業と船幽霊について
 
~10分休憩~
 
⬛️現代部門
鳴海あかり:「丑の刻参りは見られたら効かない」は昔からの決まり?
伊藤龍平:釣瓶落としから口裂け女まで
笹方政紀:宝塚ファミリーランドの妖怪ランド
黄之瀬寛朗:新聞記者・竹節作太が見聞した異類を巡って

※来聴歓迎!
初めて参加する方は
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タイトル:
いわゆる「丑の刻参り」はどこからきたのか?
発表者:
鳴海あかり

 中世以前においては、まず「丑の刻参り(丑の時参り・丑の時詣)」といった言葉が、あくまで単に丑の刻に参り祈願を行うだけの、呪詛も女の嫉妬も関係ない語として確認できる。そこに女の嫉妬などの要素を加えたのは宇治の橋姫説話である。代表的なのは『平家物語』剣の巻であるが、ここには丑の刻も人形も釘も登場しない。しかし謡曲『鉄輪』や御伽草子『かなわ』を見ると、橋姫が丑の刻参りを行っているところに示現があったという記述がみられ、橋姫説話と丑の刻参りの接続が読み取れる。
 一方釘打つ呪いというものは平城宮から出土した形代に既に確認できる。8世紀後半ごろのもので、釘が両目と胸部に刺さった木製のひとがたである。また『名例律裏書』にも「厭魅事」として似た内容の記述が確認できる。また『台記』には「天公像」の目に釘打つことが見えるが、これは神仏を責めることによって強引に願いを叶えてもらおうとする意味合いが読み取れる。一方『勝尾寺住侶等重申状案』には上下御霊神社や貴船神社に釘を打って呪いをかけたことがみえ、より近世的な形になっている。
 近世に入るころには女性が嫉妬により神社などに出向いて釘打って呪うことを「丑の刻参り」と称するようになる。また女性の嫉妬だけでなく、鉄輪にろうそくといったビジュアル要素も橋姫説話から取り入れられる。このころにはこのような意味での「丑の刻参り」はすでに常識となっていたようで、間抜けで現実的な、笑いの対象としての丑の刻参りが様々にみられる。
 しかしながら近世に入ってもまだ人形は出てこない。元禄頃になると紙人形や木の人形がみられるが、藁人形ではない。初めて丑の刻参りに藁人形が使われると明記されるのは1783年の『万載狂歌集』である。これ以降の事例では丑の刻参りと称して藁人形に釘を打つ記述や図像表現が散見される。また古典落語『藁人形』においては、元となった小咄には人形が登場しなかったのに対し、こちらでは当然のごとく藁人形が登場する。この間に丑の刻参りの「当たり前」が変化したのだろうと言える。
 最後に近現代の事例について少し触れた。明治に入っても丑の刻参りに使う人形は絶対に藁人形でなければならないというわけではなかったことが、事例数の集計によってわかる。明治時点で藁人形が使われると明記される割合は63%であるのに対し、平成以降では89%に上昇している。これについては藁人形というものが日常的な存在ではなくなり丑の刻参り以外で目にすることが少なくなったこと、商業化や各種メディアによる「丑の刻参りといえば」というイメージの固定という二点の要因が指摘できる。
 質疑応答では有難いことに多数の情報提供や、地域比較の問題、海外の事例、口に櫛を咥えるという作法がいつから存在するのかといった問題などについて様々に議論が発展した。また資料の読みについて指摘をいただいた。さらによく資料を読み込むと共に、提供された情報を踏まえて研究に反映させていきたい。また今後は近現代についてもまとめて考察していくつもりである。(文・鳴海あかり氏)


※これは2022年11月20日(日)にオンラインで開催された第127回異類の会の報告です。
※上記の文章を直接/間接に引用される際は、
必ず発表者名を明記してください。



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第127回開催のご案内

日時:11月20日()15時00分
会場:オンライン(Zoom)開催
 
タイトル:
いわゆる「丑の刻参り」はどこからきたのか?

発表者:

鳴海あかり氏

要旨:
 「丑の刻参り」は誰でも知っているであろう有名な呪法である。丑の刻に神社に参拝し、ご神木に憎い相手に見立てた藁人形を釘で打ち込んで相手を呪うものである。近世においてほぼ成立したとされており、事実近世期に多くの事例が確認できる。しかし文明開化によって迷信として潰えてしまったかというとそうではなく、近現代にも多くの事例が確認できる。また千葉県松戸市で今年6月、プーチン大統領を呪う藁人形を打ち付けた男性が逮捕されたのは記憶に新しい。
 しかしながらその有名ぶりに反し、丑の刻参りについての研究は十分に行われてきたとは言えない。前述の通り近世においてほぼ確立したとされているものの、この呪法がどのように成立していったのか、実際にはまだ十分に論じられてこなかったと言える。
 特に、現在丑の刻参りと言って真っ先に思い浮かぶのは藁人形ではないだろうか。しかし藁人形という要素は実は比較的新しい要素である可能性が高いことが、今回調べていく中で判明した。そういった各種重要な構成要素に注目して、丑の刻参りという呪法がどのように組み上げられていったのか、その変遷を辿ろうと思う。


※来聴歓迎!
初めて参加する方は
 TwitterID: @iruinokai
にDM等でご一報ください。

 


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タイトル:
昭和のお化け屋敷 鑑賞会

発表者:
笹方政紀


娯楽施設としての『お化け屋敷』については、1994年刊の橋爪紳也『化物屋敷―遊戯化される恐怖』に詳しく、それ以降については、お化け屋敷をプロデュースする者の記したものなどが認められる。
今回は新聞や雑誌などに掲載された記事や広告などを中心に、昭和のお化け屋敷について鑑賞する機会を設けた。街中で掛けられたお化け屋敷を押さえた上で、関東イベント会場・遊園地において読売新聞が後援し、乃村工藝社が携わったものを中心に昭和の初めから終わりまでを概観した。
題材として、四谷怪談や木幡小平治、累などの昔ながらの歌舞伎や講談などに取材したものや、晒し首や磔など死骸を表現したもの、その他幽霊、妖怪を基本としつつも、お化け屋敷がその時々の流行や時事を反映したものも取り込みながら展開した様子を確認した。
今後はさらに時代や場所などを広げ、関連資料を収集し、お化け屋敷の世界を総覧できるよう心掛けるとともに、研究材料として昇華するよう試みてみたい。(文・笹方政紀氏)


※これは2022年10月16日(日)にオンラインで開催された第126回異類の会の報告です。
※上記の文章を直接/間接に引用される際は、必ず発表者兼執筆者の名を明記してください。
※次回は11月20日(日)15時00分オンライン開催です。

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プロフィール
HN:
異類の会
年齢:
15
性別:
非公開
誕生日:
2009/09/15
自己紹介:
新宿ミュンヘンで誕生。

連絡先:
gijinka☆way.ocn.ne.jp
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