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異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
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第133回開催のご案内

日時:5月28日()15時30分 ※いつもより30分遅い開始です!
会場:オンライン(Zoom)開催
 
タイトル:
孫太郎は天狗か狐か―岩船山高勝寺の孫太郎尊とその周辺―

発表者:
林京子

要旨:
 発表者は岩船山(栃木県栃木市)の宗教文化史を調査研究している。岩船山は室町期には霊験記などにも記載される生身の地蔵出現の霊地であったが、現在は彼岸の卒塔婆供養で有名な死者供養霊場である。山上の岩船山高勝寺は日光東照宮との関係で寛永寺と深いつながりを持って山中に創建された寺院であるが、山中には天狗「孫太郎尊」が祀られている。明治以降は、高勝寺が天狗信者の講である「元旦講」を引き継いでいた。
 佐野市にも岩船山と同一と思われる天狗が「孫太郎稲荷」として祀られている。この「孫太郎」は伝説的な武将藤原秀郷の子孫で怪力無双の藤原「孫太郎」家綱である。岩田重則氏は「天狗は災厄をもたらし除去することができるという二面性を持つので「戦死」という最大の災厄を除去することが可能」であり「天狗は山の神=生と死の境界のカミ、運命を司るカミなので、戦死除けを可能にする」と述べる。発表者は昨年、孫太郎尊が日露戦争頃から戦死除けの流行神として信仰を集めたことを報告した(日本宗教学会「近代の岩船山の天狗と戦争」2022年)。
 発表者は佐野で奈良の薬師寺にも「孫太郎稲荷」が存在することを教えられた。そこで薬師寺の「孫太郎稲荷」に行くと、宮司に孫太郎稲荷は姫路を追われて寛政期にここに来た、と教えられた。そこで姫路まで行くと、孫太郎は狐であり、姫路の孫太郎稲荷を破却され国払いされたとされ、能の演目である「小鍛冶」が狐の孫太郎を主人公とした姫路の伝説になっていたことを知った
 姫路の孫太郎狐が奈良に遷ったのが薬師寺の孫太郎稲荷だから、下野の孫太郎とは名前が同じだけで別物か、とも思われるが、断定はできない。『大和名所図会』の薬師寺の項の挿絵には、現在の孫太郎稲荷と同じ場所に、現在と全く同じ鳥居と小祠が描かれている。これはどういうことなのか。結局「天狗や狐に化かされて連れ回される」という昔話を実体験したとしか思えない。まとまりきらない考究で恐縮であるが、参加者からご教示を得られれば幸いである。

※来聴歓迎!
初めて参加する方は
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2009/09/15
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