異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
第141回開催のご案内
日時:2月17日(土)15:00
会場:オンライン(Zoom)
1. 誤転写と予言獣ー「アマビエはアマビコの誤記」説の再考からー( 長野栄俊氏)
2. 予言をしなくなった予言獣 誰がいつアマビエを変えたのか(峰守ひろかず氏)
3. 予言獣としての件(クダン)の位置(笹方政紀氏)
発表者:長野 栄俊氏・峰守 ひろかず氏・笹方 政紀氏
1. 誤転写と予言獣ー「アマビエはアマビコの誤記」説の再考からー( 長野栄俊氏)
コロナ禍でアマビエが流行した際、「アマビエはアマビコの誤記」 説が一般にも流布した。予言獣の世界で「誤」 が多くの新種や珍名を生みだすことは報告者も認めるところである 。しかしこの説では、 出現情報が肥後から江戸に報告される過程で「誤記」 が生じたと捉えている節があり、「誤」 の生じた段階の想定としては疑問が残る。
そこでまずは予言獣(資料)生成の過程を再検討し、どの段階で「 誤」が生じるのかを見極めたい。また、この「誤」は、 くずし字の「誤読」を伴う「誤転写」 として生じたものと捉えることができ、現代的な「誤記」 として理解するのは十分ではない。本報告では、 この誤転写の仕組みをいくつかの事例をもとに紹介し、 誤転写と予言獣との関係を取り上げてみたい。
2. 予言をしなくなった予言獣 誰がいつアマビエを変えたのか(峰守ひろかず氏)
「予言獣大図鑑」の拙稿「予言から疫病退散へ」では、 コロナ禍を経て、報道や一般書におけるアマビエの在り方が「 予言する妖怪(予言獣)の一種」から「疫病退散祈願のシンボル」 へと変質したこと、また、 アマビエの疫病退散属性は決してコロナ禍をきっかけに生まれたも のではなく、 従前から存在していた萌芽がコロナ禍をきっかけに大きく取り上げ られた結果として起こった可能性があることを指摘した。
ここで起こった変質は特定の個人や団体の先導によるものではなく 、複数の公共機関、マスコミ、商業施設、SNSユーザー、 識者らがお互いに不確かな情報を参照し合うことによって、 存在しなかった伝承(史実)がごく短期間のうちに作り上げられ、 規定事実化するという現象が起こったものと考えられる。
だが、変質のタイミングはどこかに存在するはずである。今回は、 報道等に見られるアマビエの説明の変遷を通じて、 いつアマビエは疫病退散妖怪という個性を確立したのか、 アマビエを変質させた主体がどこにあったのかを考えてみたい。
3. 予言獣としての件(クダン)の位置(笹方政紀氏)
予言獣としての件(クダン)については、概要を「件(クダン) の予言」として『予言獣大図鑑』に纏めた。近世においては、 予言をしていない時代から、予言獣として採用され、 やがてかわら版にも描かれた。近代になり、 同書が再定義した予言獣の枠を超え、 人々の間で語られる存在として、現代でも広く知られている。
今のところ、件(クダン) が予言をするかわら版は一枚しか知られていない。 それにも関わらず、予言獣の代表として扱われることも多い。 今回は、改めて件(クダン) が予言獣としてどのような存在であるか、 人々にどのように認識されているかを再考し、予言獣の中の件( クダン)の位地を確認してみたい。
長野栄俊編・岩間理紀・笹方政紀・峰守ひろかず著『予言獣大図鑑』(文学通信)好評発売中!
https://bungaku-report.com/books/ISBN978-4-86766-026-3.html
※来聴歓迎!
初めて参加する方はX(Twitter)
@NarazakeMiwa
までDMを。
日時:2月17日(土)15:00
会場:オンライン(Zoom)
タイトル:予言獣3題
―予言獣の誤転写・アマビエの変容・件(クダン)の位置―
1. 誤転写と予言獣ー「アマビエはアマビコの誤記」説の再考からー(
2. 予言をしなくなった予言獣 誰がいつアマビエを変えたのか(峰守ひろかず氏)
3. 予言獣としての件(クダン)の位置(笹方政紀氏)
発表者:長野 栄俊氏・峰守 ひろかず氏・笹方 政紀氏
要旨:
1. 誤転写と予言獣ー「アマビエはアマビコの誤記」説の再考からー(
コロナ禍でアマビエが流行した際、「アマビエはアマビコの誤記」
そこでまずは予言獣(資料)生成の過程を再検討し、どの段階で「
2. 予言をしなくなった予言獣 誰がいつアマビエを変えたのか(峰守ひろかず氏)
「予言獣大図鑑」の拙稿「予言から疫病退散へ」では、
ここで起こった変質は特定の個人や団体の先導によるものではなく
だが、変質のタイミングはどこかに存在するはずである。今回は、
3. 予言獣としての件(クダン)の位置(笹方政紀氏)
予言獣としての件(クダン)については、概要を「件(クダン)
今のところ、件(クダン)
長野栄俊編・岩間理紀・笹方政紀・峰守ひろかず著『予言獣大図鑑』(文学通信)好評発売中!
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