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異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
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第138回開催のご案内

日時:11月23日()15:00 
  ※通常、日曜日に開催しておりますが、今回は勤労感謝の日にあたる木曜日です。

会場:オンライン(Zoom)
タイトル:

日本に於いてミイラはいかに捉えられたか

発表者:杉山和也

 要旨:
 本発表ではミイラ、引いてはエジプトが、特に前近代の日本でどのように捉えられてきたか、という問題について、ミイラがどこでどのようにできるのかを説明する説話を中心に考察する。これは現代でもよく知られる「ミイラ取りがミイラになる」ということわざの成立と深く関わる説話であるが、従来、研究が乏しい。
 ミイラという日本語は17世紀のキリシタン関係の文献に現れ、没薬という樹脂の薬品を意味していた。17世紀後半頃からは錯誤が生じてか、舶来の枯骸の薬を意味するようになる。偽薬が横行するほど、この洋薬は流行した。こうした時代性を背景に上述の説話が諸種の文献に見られるようになる。どの文献に所載の説話でも、ミイラができる地域に関する地理的情報と、ミイラができる場として砂漠について語られるが、いずれについても、〈想像〉と〈創造〉を織り交ぜつつ、遥か遠方の未知の世界の砂漠、ミイラ、引いてはエジプトが描かれているのである。

※来聴歓迎!
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第137回開催のご案内

日時:10月29日()15:00
会場:オンライン(Zoom)
タイトル:
魚と野菜の大合戦
ー『献立合戦笑草』を読むー

発表者:伊藤慎吾

 要旨:
 野菜たちのせいで思いのままに権勢を振るえないことに不満をもつ鮭の将軍が戸棚ヶ城に諸国の魚類を結集し、一方、それを伝え聞いた野菜たちは大将畠山の薯蕷(ながいも)の号令で同じく城に集まる。その結末やいかに…。
 魚と野菜の合戦物語は、食文化の歴史を背景に、室町時代の『精進魚類物語』に端を発し、幕末明治まで展開し、一つのジャンルを形成します(精進魚類物)。
 最近、上田市立図書館所蔵の『献立合戦笑草』という江戸時代後期の写本もその一つだと気付いたので、今回、これを紹介し、その特色を考えてみます。


※これに近い作品を以前紹介しました。
 下記URLからダウンロードしてください。
 →「魚類扣考」『日本文化研究(國學院大學栃木短期大学)』第5号
   https://www.kokugakuintochigi.ac.jp/tandai/etc/nihonbunka/pdf/05/03.pdf

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第136回開催のご案内

日時:8月27日()15:00
会場:オンライン(Zoom)
タイトル:
刷物・書写本〈伝来薬「心躰安樂丸」〉処方箋一覧
―極楽からの御薬の効能―
発表者:
羽鳥佑亮氏
 要旨:
  江戸時代には、御薬そのものに、乃至、御薬の広告に見たてた体裁で、処世訓や俚諺を羅列したり、ある考えを平易に記したりとした、刷物や書写本が散見される。管見に入るものには、例えば『家運長久修身元』や『人心儉約長榮丹』、『三國相傳他力念佛丸』がある他、江戸時代前期の井原西鶴による『日本永代蔵』には「長者丸」の記述があり、同様の趣向である。
 これらの類のひとつに、「極樂傳來心躰安樂丸」と名付けられることの多い伝本がある。この極楽伝来の御薬は、江戸時代後期から戦前期頃までは広く享受されたようだが、現在では忘れ去られていよう。この類は他にも雑多にあり、著名な作品ではないために学術からも看過され、研究はほとんど行われていない。
 そこで、この極楽伝来の御薬に注目し、表記の揺れにより統一書名を〈伝来薬「心躰安樂丸」〉としてとりあげ、実態把握と系統整理、各々の特徴の確認を行う。

※来聴歓迎!
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第135回開催のご案内

日時:7月30日()15時00分
会場:オンライン開催
 
タイトル:
 白峯相模坊はどこから来たのか
  
「天狗の山移り」の虚実

発表者:
毛利 恵太

要旨:
 白峯相模坊といえば、讃岐国白峯(現・香川県坂出市の五色台)で祀られている大天狗である。その名は謡曲『松山天狗』『鞍馬天狗』にも登場し、いわゆる「八天狗」として愛宕山太郎坊や鞍馬山僧正坊などと並ぶ存在とされるなど、古くから大天狗の定番として知られていた。この相模坊に関する逸話の一つに「相模坊は元々、相模国(神奈川県)の天狗であったが、ある時に讃岐国に山移りをして飛来してきた」というものがある。この「天狗の山移り」は天狗研究家として知られる放送作家・知切光歳が提唱したもので、それによると「かつて相模国の大山(おおやま)には相模坊、伯耆国(鳥取県)の大山(だいせん)には伯耆坊がいたが、相模坊が讃岐国の白峯に移り、空所となった大山(おおやま)に伯耆坊が移り、更に空所となった大山(だいせん)に清光坊が現れた」という出来事があったのだという。この「天狗の山移り」は知切の著作においてたびたび取り上げられ、まるで本当にあった事のように紹介されているが、実際にはそのような出来事を記録した資料は存在せず、全て知切の推測からなるものでしかない。しかし知切の著作はその後の天狗研究・天狗認識に大きな影響を与えており、「天狗の山移り」も無批判にそのまま受容され、寺社や自治体の解説にもそのまま用いられているのが現状である。
 本発表では「天狗の山移り」があったという相模坊・伯耆坊・清光坊の資料を精査し、また知切の著作や記述を検証することで、これら三体の天狗が過去どのような存在として扱われてきたのか、また「天狗の山移り」がどのようにして提唱されたのかを考察する。

※来聴歓迎!
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第134回開催のご案内

日時:6月25日()15時00分
会場:オンライン(Zoom)開催
 
タイトル:
90年代における人形の怪談についての一考察
 —メリーさん・リカちゃんの怪を中心に—

発表者:
鳴海 あかり

要旨:
 1988年、アメリカの民俗学者ジャン・ハロルド・ブルンヴァンによる『消えるヒッチハイカー』が、重信幸彦・大月隆寛らによって翻訳された。重信らはこれによって口承文芸研究に新しい風を吹き込もうとしたのだが、民俗学者は同時代の話としての都市伝説そのものには興味を持たず、結果放り出された「都市伝説」は商業メディアによって人面犬などの怪しげな「ウワサ」たちの新たな呼び名として採用され、次々に「都市伝説」と銘打たれた本が出版された。またこのころにもう一つ挙げられることとして、中学校教師であった常光徹による児童向け怪談集『学校の怪談』シリーズが契機となった、学校の怪談ブームがあった。

 このように、1980年代末~90年代前半にかけては怪談や怪しげな話が特に世間の注目を集めていた時代であった。そんな時代の中にあって、人形の怪談も数多くささやかれた。今回はその中でも特にメジャーであり後世への影響力も強いと考えられる「青い目の人形」「メリーさんの電話(リカちゃん電話)」「三本足のリカちゃん」の三つの怪談を取り上げ、その背景や関連性について一つ考察を述べようと思う。

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2009/09/15
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新宿ミュンヘンで誕生。

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