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異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
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タイトル:オーサキのいなくなった日常
      ―群馬県南西部における人間と
動物の関係

発表者:間所瑛史氏


要旨:
 群馬県南西部ではかつてはオーサキと呼ばれる憑き物の話を聞くことができる。本発表で筆者は群馬県南西部のとある町で調査した際に偶然2名の住民から聞いたオーサキの事例を報告した。更に吉田禎吾の調査や東京学芸大学の調査報告書などから当該地域におけるオーサキの特徴を紹介していった。

 群馬県南西部におけるオーサキの特徴から、住民はオーサキをヤマネやオコジョのような小動物として捉えており、オーサキに憑依されると食べ物を欲しがったり神職を避けたりするなどの行為をおこなうようになると過去の報告から見て取れる。またオーサキモチの家は隣家から繭や小麦粉などを盗むとされており婚姻差別などがおこなわれるなど社会的緊張をもたらす存在であった。

 発表者の聞き取った事例からは過去の報告書と同様のオーサキの特徴のほか、オーサキ除けとしての山犬の歯を加工した根付の実物やコックリさんをオーサキとして捉えている事例を報告した。そして過去のオーサキの存在していた時代を人々と動物との関係性などから考察をおこなった。

 質疑応答では筆者の撮影した山犬の歯の根付はツキノワグマの歯の可能性が高いこと、民間宗教者の存在などがあげられた。群馬県南西部は隣接する埼玉県の三峰山や両神山で修験が盛んにおこなわれており、そうした修験者が山犬の歯の加工に携わっていた可能性がある。また、現代の憑き物の事例なども質疑応答で出され、現在は地域的な文脈を離れてインターネット上でスピリチュアルとして憑き物が受容されている。他にも質疑応答ではオーサキに限定されない様々な憑き物の情報があげられた。(文・間所瑛史氏

これは2020年12月26日(土)にオンライン開催された第104回の報告です。



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