異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
お伽草子『隠れ里』において、鼠の隠れ里という理想郷が木幡野に設定された。その背景としては、寛永年間の飢饉をはじめとする都の荒廃があり、当時の人々の理想郷を希求する動きに結びついた。その際、大黒信仰の広がりから致富への予兆とされ、また飢饉の際に強く意識されていた鼠への眼差しが、鼠の隠れ里を身近な場所に求めたのであろう。それが木幡に求められたのは、京周辺に存在すると考えられた鼠の隠れ里の口頭伝承、さらに木幡という地が持つ境界性が異界と結びついたと考えられる。さらにその理想郷描写には、特殊な四方四季ともいうべき表現も見られた。
隠れ里の風景、特に宝物や食の問題など、『鼠の草子』、『をごぜ』、『酒飯論』などと関わり、論じるべき点は多く残されている。今後、さらに読みを深めていきたい。
(文・発表者塩川和広氏)
以上、第37回例会(5月21日・於青山学院大学)の発表要旨です。
隠れ里の風景、特に宝物や食の問題など、『鼠の草子』、『をごぜ』、『酒飯論』などと関わり、論じるべき点は多く残されている。今後、さらに読みを深めていきたい。
(文・発表者塩川和広氏)
以上、第37回例会(5月21日・於青山学院大学)の発表要旨です。
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