異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
室町期には馬の医療に関する馬医書が多く記された。馬医書に関しては、従来獣医学史方面からの研究が盛んであったが、五行理論に基づき、症状や治療法が記される一方、呪歌も多く含むなど、人文学領域からの研究の進展が期待される。
本発表では、内閣文庫蔵『馬傳秘抄』(写本十七冊)に収載される『安驥最要抄』を取り上げた。
『安驥最要抄』は冒頭に五臓論について記し、それに沿った療治法を一つ書き形式にて記している。末尾には呪歌も記される。
『安驥』『壒嚢鈔』に「小河ノ乗澄」の作として『安驥』という名の書が記されることをはじめ、馬医書の中に「小河僧正」の名が散見されること、「安西流」を称する馬医書・馬医巻物においては「小河僧正」から「安西播磨守」が相伝されたとすることなどを指摘し、室町期における『安驥』という書と「小河」に纏わる馬医秘傳の言説を想定した。
また、内閣文庫本『馬傳秘抄』は外題と内題の乖離が甚だしく、同傾向の陽明文庫所蔵の馬医書群も含め、伝来の検討を今後の課題として挙げた。
以上、発表者大坪舞氏による要旨でした。
なお、本書について不定期に輪読会を始めました。
ご関心のある方はご一報ください。
さて、次回は来月下旬に開催します。
詳細は近々ご案内します。
本発表では、内閣文庫蔵『馬傳秘抄』(写本十七冊)に収載される『安驥最要抄』を取り上げた。
『安驥最要抄』は冒頭に五臓論について記し、それに沿った療治法を一つ書き形式にて記している。末尾には呪歌も記される。
『安驥』『壒嚢鈔』に「小河ノ乗澄」の作として『安驥』という名の書が記されることをはじめ、馬医書の中に「小河僧正」の名が散見されること、「安西流」を称する馬医書・馬医巻物においては「小河僧正」から「安西播磨守」が相伝されたとすることなどを指摘し、室町期における『安驥』という書と「小河」に纏わる馬医秘傳の言説を想定した。
また、内閣文庫本『馬傳秘抄』は外題と内題の乖離が甚だしく、同傾向の陽明文庫所蔵の馬医書群も含め、伝来の検討を今後の課題として挙げた。
以上、発表者大坪舞氏による要旨でした。
なお、本書について不定期に輪読会を始めました。
ご関心のある方はご一報ください。
さて、次回は来月下旬に開催します。
詳細は近々ご案内します。
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