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異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
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日時:4月27日(土)14:00
会場:大東文化会館404号室
※ 大東文化大学ではなく、「大東文化会館」という関連施設です。
 東武東上線の東武練馬駅・北口から徒歩5分。
 池袋から急行などに乗ってしまうと「東武練馬駅」を通過してしまうので、必ず「各駅停車」にご乗車下さい。
 大東文化会館アクセスマップ
 https://www.daito.ac.jp/file/block_49513_01.pdf

発表者:今井秀和氏
タイトル: 平田篤胤『仙境異聞』にあらわれた「生物」観


要旨:
江戸後期の文政年間、常陸国にあるという天狗の棲む世界と、江戸とを行き来していると自称する少年、寅吉が世間を賑わせた。国学者の平田篤胤による『仙境異聞』は、寅吉への聞き取りをまとめて著されたものである。そこには、寅吉が見聞きしたという「天狗」に関する詳細な情報などのほか、鉄を食う獣、四足を生やした鯉といった奇妙な生物をめぐる知識も記録されている。
昨年末に刊行された、平田篤胤著、今井秀和訳・解説『天狗にさらわれた少年 抄訳仙境異聞』(KADOKAWAソフィア文庫)に付した注釈では、紙幅の都合上、仙境における「生物」の関連情報について充分に述べることができなかった。本発表では『仙境異聞』に載せられた「生物」知識と、和漢の文献に記された情報との比較を通して、寅吉らが紡いだ仙境の「生物」観に迫ってみたい。

伊藤曰、
上記、今井氏新著については下記URLをご参照ください。
今井秀和(訳・解説)『天狗にさらわれた少年 抄訳仙境異聞』(角川ソフィア文庫、2018年12月) 950円

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日時:3月9日14時
会場:武蔵大学3号館2階3201教室(院生GS)
   ※最寄り駅=西武池袋線江古田駅/西武有楽町線新桜台駅/都営大江戸線新江古田駅

発表者:廣田龍平氏
タイトル:
アニミズム、パースペクティヴィズム、マルチスピーシーズ――民俗学的/人類学的な異類・妖怪研究のための理論的エクスポジション

要旨:
異類や妖怪は、どのような理論で捉えることができ、またどのように理論化することができるのだろうか? 特に民俗学のように、いろいろな意味で理論化が欠如している分野で妖怪や異類を研究するならば、これは大きな問題になるだろう。ここで注目したいのが、現代人類学のうち、「存在論的転回」と称される一大潮流のなかで、異類(「非人間」nonhumanと呼ばれることが多い)に関する事例が、新しい理論化の中心に位置づけられているということである。今回の発表は、この理論的動向を異類研究者に紹介することを目的とする。
「存在論的」人類学の問題意識は、非人間についての人々の語りや実践を表象や文化、想像力などに還元せず、正面から受け止めるならばどうなるのかを問う。どのようにすれば非人間の世界を描き出せるのか? そのためにはどのように私たち自身が変わっていかなければならないのか?
今回の発表では、20世紀末から盛んになってきたこの潮流の諸前提を概観したうえで、ブリュノ・ラトゥールが提示した2つの主題「類型」と「爆弾」に沿って、代表的な理論であるアニミズムとパースペクティヴィズムを解説し、副主題としてマルチスピーシーズ研究に簡単に触れてみたい。ちなみに本発表の目的は、あくまで主題の提示(exposition)であり、いかに主題を展開するかについては、発表者自身の研究の一部を示すだけになる。

※来聴歓迎!

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日時:2月23日14時
会場:青山学院大学・14号館(総研ビル)6階 14609教室

発表者:三浦理沙氏
題目:現代における幽霊譚の研究

要旨:
人々が語る幽霊譚を資料として、現代における死霊観を明らかにすることを目的とする。
今回は、幽霊の出現を生者による死者への記憶(メモリアル)として捉えることとし、その死に対する生者の心情を論点として、松谷みよ子『現代民話考』に収録された事例や、聞き書きで得た幽霊に関する話から分析と考察を行なった。
面識・原因・時間・場所・働きかけ方という項目を立て、幽霊の出現パターンの傾向を導き出すことを試みた。
生者のどのような心が幽霊の出現を引き起こすのかを見出したいと思う。

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日時:1月26日14時
会場:青山学院大学・14号館(総研ビル)14609教室
発表者:杉山和也氏
題目:前近代東アジアの臨海諸地域に於けるシャチの認識 ―日本の事例を中心として―
要旨:
中世日本に於いてシャチホコは、ワニ、フカ、クジラとともに海の「をそろしき、大きなる物」として近しい認識で捉えられていたわけである。ところが近世以降、クジラに対する認識の変容が起こったのを主な端緒として、その相関関係に変化が生じることとなる。本発表では、日本に於けるシャチの認識の変遷をたどる。その上で朝鮮半島やベトナム、蝦夷地に於けるシャチ〈発見〉をめぐる言説の幾つかを瞥見し、それぞれの位置について検討してみたい。

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日時:11月10日(土)14時~
会場:國學院大學若木タワー14階打ち合わせ室

発表者:林京子氏
題目:異類出現の霊地下野岩船山

要旨:
 栃木県栃木市の岩船山は中世以来の霊山で現在も連綿と信仰されている。しかしその内実は似て非なる信仰の連続体であり、混沌の中から聖なる異類が立ち上がる霊地である。
 岩船山の聖性はこの場所の景観に由来する。北を指す船型の巨石(岩船)は、古代はカミの依代である磐座として、中世はそこに地蔵と言う死後世界のカミが顕現する場と考えられた。「伯耆大山の僧が夢告で岩船山に至り、山に住む貧しい法師が村人の頼みに応じて分身するのを見、翌日岩船の上で法師の躰を割いて出現する〈生身の地蔵〉を見て、地蔵から増える不思議なお米を貰う」という説話が中世の地蔵菩薩霊験記や大山寺縁起にも見られる。この物語は「米」を巡る宗教思想大系の一つとも考えられる。山内の夥しい板碑群があり、この山が高名な霊場であったことを示唆する。岩船山上は1584年戦火で焼失した。
 近世初期、寛永寺のテコ入れで山上に高勝寺が創建され、きわめて戦略的な「下野州岩舩山縁起」(漢文)が天海の弟子によって製作された。ところがわずか74年後には、先行する縁起とは異なる華麗な縁起絵巻「岩船山地蔵菩薩縁起」(かな)が作られ、中世の垂迹聖人と似て非なる〈新しいカミ〉が死者を救済する場として参詣者を誘引するようになった。聖なる石は子授けの陰陽石と見なされ、高勝寺は地蔵の持つ死者供養と子授け祈願の機能を持つようになった。
 近現代に入ると岩船山は「換金可能な石の山」と見なされ人々は容赦なく山を破壊した。すると破壊された山の中に中世とは似て非なる異類が顕現するようになった。さらに岩船山には天狗伝承がある。現在も高勝寺が頒布しているお札に描かれた異類は、中世のダキニ天信仰との関連が感じられる。
 発表者は山上の蓮華院高勝寺縁起類のデジタル複本作成と解題事業を行っている。本発表ではその過程で得られた知見の一部である。絵巻の未公開画像や岩船山の景観、天狗信仰などを紹介し、早急な修復が必要な高勝寺の一助になることを願うものである。

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誕生日:
2009/09/15
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新宿ミュンヘンで誕生。

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