異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
『狗猿合戦物語』は、天保五年の書写奥書を有する江戸後期の戯作と見られるが、その内容は、お伽草子の異類合戦物の流れを汲んでおり、異類物に関心をもつ者にとって注目すべき作品である。
物語は、ある山里に住む美しい犬の姫君「深雪姫」に、「猿の太郎」が一目惚れするところから始まるが、これを契機に、それぞれの一族全体をも巻きこんで、犬と猿との対立・合戦にまで展開する。
物語中に引用される故事・説話に中国関連のものが多いことなどは本物語の一つの特徴と言えるが、中でも奥書に記された「絵巻」と「詞書」に関する記述は、異類物の制作と享受を研究テーマとしている発表者にとって、重要な示唆を与えるものである。本発表においては、特にこの点を中心にして考察を試みた。
以上、三浦億人氏による第2回例会発表の要旨でした。
なお、本発表では翻刻資料も配布されました。
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