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異類(人間以外のキャラ)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・同人誌などジャンルを越境する会です。
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日時:11月30日(土)17時30分~19時30分
会場:新宿区若松地域センター 第2集会室B
   ※最寄り駅=都営大江戸線若松河田駅(河田口より徒歩2分
 
発表者:伊藤慎吾
 
タイトル:南方熊楠と鼠の文学史
要旨:
戦前の博物学者南方熊楠は十二支に関わる動物の一つとして鼠を調べ、「十二支考」の一編として論考をまとめた。
他の「十二支考」論考と同様に古今東西の文献を縦横に使いながら、本論でも鼠の諸相を考察している。
雑誌掲載を見送られたこの論考から、さらに派生した未発表・未定稿の草稿が数種残っている。
本発表では、鼠の文学史を概観しつつ、これら熊楠の鼠論考を整理し、日本文学史研究の視点からその意義を考えていきたい。



※来聴歓迎!

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山梨県長源寺『蟹坊主』伝説について」

発表者:田中教如氏
要旨:
山梨県の中心部、山梨市の万力にある「長源寺」という曹洞宗の寺院には「蟹沢山」という山号が付いており、それに合わせるように『回国の僧が蟹の化け物を退治した』という伝説が縁起として残されている。
伝説の内容としては、
『夜な夜なこの地に化け物が現れて人々が苦しんでいたところ、密教の法印がそれを退治しようとやって来る。法印は「両足八足大足二足横行自在」の問答に打ち勝つことにより、化け物の正体を蟹だと見破り、独鈷で蟹の殻を叩き割る。倒された蟹からは千手観音が現れ、その後法印は「ここは禅林の地だ」といって曹洞宗の僧に頼み、ここに長源寺を建てた。』
というものである。
由緒書きによるとその密教の僧は『中山救蟹庵主』なる人物であるらしいのだが、今一つ調べてもどんな人物なのかはっきりとしない
更にこの伝説に似た話は各地に存在しており、殆どが曹洞宗や禅宗に関わるものであった。やはり『問答』という要素と禅宗は切っても切り離せないのであろう。
そこで問題になってくるのが、何故長源寺の蟹坊主伝説は曹洞宗の話であるのに、主人公は密教の法印であるのかということである。これは、堤邦彦『近世説話と禅僧』に見られるように、曹洞宗の布教活動、地方進出の作戦のひとつではないかと結論付けた。
曹洞宗は地方に根を広げるにあたって、土着の宗教がそのまま曹洞宗の外護者であったという伝説を作ってしまうことがよくある。
つまり、密教と禅宗が混ざりあったようなこの不思議な伝説は、元からその地方に根付いていた密教を、あとから進出してきた曹洞宗が、形を変えずにそのまま飲み込むための方法だったのである。

(発表者談)
私が発表させていただいたのは、ひとまずここまでであったのですが、質疑応答で・鉄人伝説と共通するところがある・問答に漢字の知識を前提としている等々、様々な有意義なアドバイス、助言を頂き、まだ調べが甘かったことを痛感いたしました。調べる範囲も多く、今後研究を続けていくとすれば、何かしらテーマを絞り、そこを深く掘り下げていくような研究をしていきたいと思いました。御静聴ありがとうございました。
(以上、発表者識す)

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日時:10月26日(土)14時
会場:武蔵大学3号館2階3201教室(院生GS)
   ※最寄り駅=西武池袋線江古田駅/西武有楽町線新桜台駅/都営大江戸線新江古田駅
 
発表者:田中教如氏
タイトル:
山梨県長源寺『蟹坊主』伝説について
要旨:
山梨県山梨市万力という場所に『蟹沢山長源寺』という曹洞宗の寺院があり、そこには縁起として『蟹の化け物に問答を出され、それに答えて化け物を調伏した』という伝説が伝わっています。
化け物に問答を出される話は数々ありますが、しかし長源寺の伝説は少し変わっており、曹洞宗の寺院でありながら伝説の主人公は『密教の僧』でありました。
その違和感を元に、文献資料やフィールドワークでお聞きした話等を合わせ吟味し、長源寺の蟹坊主伝説の発祥と変遷について考察するレポートとなっております。


※来聴、歓迎です。

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「山田野理夫 その怪談と妖怪と美」

 発表者:式水下流氏

 水木しげるの妖怪解説にも多く影響を与えたのが、山田野理夫である。その話の初出を辿ろうとすると藤澤衛彦(前回参照)『妖怪畫談全集〜日本篇上』に行き着くが、それ以前までは辿れない。故に山田野理夫の評価は原義とは異なった妖怪の要素を(水木しげるを通して)流布させた人物として捉える人は少なからずいる。然しながら、山田野理夫の創作の経緯や技法、水木しげる以外に影響を与えた作品などを通して見ながら、その軌跡を俯瞰することで、現在の妖怪の情報の変遷とその価値を見ていった。
 山田野理夫は仙台に生まれ、両親から土地の民話を聞いて育っていた。(原話者に両親の名前も)その後、農林省の調査員、宮城県の編纂委員として色々な土地に赴いたことから東北を中心に聞書を行い、怪談収拾ノートとしてまとめていった。ノートは聞書した話だけでなく、調査した文献から抜き出した話も記載されていたことが、著作から推測できる。
 そこから話を膨らませて、土地土地の個性を崩さないように歴史的強度的抒情を意識したとあるので、一つの話(『宮城の民話』と『仙台伝説集』)を参考に創作の傾向を確認した。地の文を会話文にしたり、同一登場人物の別の話を組み込んだりもするが筋は大きく変えていないが、原文に書いていない誇張表現が幾つが見られた。
 この創作技法が妖怪に対してどのように使われているかを山田野理夫が多く採用している藤澤衛彦『妖怪畫談全集〜日本篇上』のキャプションとの比較も行った。取り扱った妖怪はうわん・イヤミ(否哉)・おとろし・神舞など藤澤衛彦の創作を採用し、山田野理夫が話を膨らませたケースやぬらりひょんや目目連のように山田野理夫がオリジナルで創作したケースを上げて、水木しげるやそれ以降の妖怪解説(図鑑・特撮・ゲーム等)に採用されている事例をあげた。真贋の判定が難しい上手い匙加減で創作されているものもあるが、明らかに誇張しすぎてしまっている例もあり、それらは用例があってもそのような妖怪であるとは思われていない
 また、別項でわいらと赤舌という二体の妖怪に関して細かく分析を行った。元々それらは図だけの特に説明のない妖怪であったわいらは「モグラを掘り食ふ」と藤澤がキャプションを入れたものに、雄と雌の色の話やモグラを食べているのを茨城県の医者が見たという話を更に水木しげるが自論を追加して、拡散されたがためにわいらが茨城の妖怪であるという話やモグラを食べるという話がわいらの要素になってしまっている。
 赤舌は「関口を開き悪業の田を流す」という藤澤のキャプションから農林省時代の水利や治水などの知識から青森の水争いの話とし、赤舌が水門を開くことで解決したという話を創作した。これらは山田野理夫が何を元にしてどのように話を膨らませているかが、よく分かる事例である。
 確かに辿れる情報が得られない状態では、学術的な視点としては、それらを典拠とすることは危険であると言えるが、山田野理夫は学術的に作品を発表していないので、その作品としては決して悪いと言うことにはならず、寧ろ民話や怪談や妖怪話として、情景が浮かび、流麗で読みやすい、素晴らしい作品であることは多くの人に知っていただきたい。
 今後は創作に使われた素材(実際にある伝承であれば、それを明示していく)がどのように変化したのか、それが発表されて以降どのように流布されていったかは引き続き調査していく。情報自体は個々の嗜好や研究の対象として取捨選択は異なると思うが、妖怪の変遷を考える上では、山田野理夫が与えた影響は避けては通れない道なので、少なからず整備はしていきたい。(文・発表者)

(2019年9月21日於武蔵大学)


次回は今月26日午後2時、武蔵大学にて開催します。
詳細は追ってお知らせします。

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日時:9月21日(土)14時
会場:武蔵大学3号館2階3201教室(院生GS)
    ※最寄り駅=西武池袋線江古田駅
          西武有楽町線新桜台駅

          都営大江戸線新江古田駅

発表者:式水下流氏

タイトル:
山田野理夫 その怪談と妖怪と美

要旨:
山田野理夫(1922/7/16- 2012/1/24 詩人・作家・編集者)という名前を見た時におばけや妖怪などの異類を嗜好とする人々は、実際には伝承されていない(と思われる)妖怪の話を創作し、水木しげるの妖怪解説に影響を与えた人物として連想される方が多い。実際に有名なところでは「わいら」という妖怪がモグラを食べているのを茨城県の医者が見たという話(『おばけ文庫2 ぬらりひょん』)や青森県での水争いを「赤舌」という妖怪が解決したという話(『東北怪談の旅』)などは、確かに辿れる情報が得られないので、学術的な視点としては、それらを典拠としすることは危険であると言える。
しかしながら、山田野理夫は学術的な資料として作品を発表している訳ではない点は言うまでもなく、山田野理夫が書いたものが、作品として決して悪いと言うことにはならない。
当発表では山田野理夫が参考にした資料や実際に聞き書きを行った実例、水木しげる以外に影響を与えた作品などを通して見ながら、妖怪の情報の変遷と山田野理夫の軌跡を俯瞰していく。

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非公開
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2009/09/15
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新宿ミュンヘンで誕生。

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