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異類(人間以外のキャラ)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・同人誌などジャンルを越境する会です。
平家物語の宇治川の先陣争いに登場するする墨といけずきについてそれぞれ覚一本、長門本、延慶本を使い比較を行うと延慶本に他の諸本とは異なる大きな特徴が見られた。まず、する墨の名前が異なること。また、その命名の由来になぜか頼朝の馬であったのに二位殿が出てくること。そして、いけずきの名前の由来について延慶本に関しては二つの説を取り上げ、また非常に詳しく書かれているということである。
まず、する墨の名前についてであるが、延慶本では「ウスヾミ」となっており、命名の由来に二位殿が出てくる。平家物語で二位殿というと平清盛の妻である平時子であるが、この馬は頼朝所有の馬であるので、そこに平家方の名前が出てくるのは不自然である。これに関しては源仲綱と平宗盛間で奪い合われた木の下や煖廷、平知盛から奪われ院に献上された井上黒などの例から見て当時、馬を奪い合う習慣があり、このウスヾミも元は平家方の馬だった可能性があると推測された。 
そして、いけずきに関しては延慶本においてはその命名の由来譚から伝承的要素が見られるのではないかと推測された。また、「いけずき」の表記に関してはさらに考察の必要性が感じられる。
以上がする墨といけずきに関しての諸本比較における考察であるが、その他にも延慶本には平山季重が頼朝から目糟毛という名馬を与えられ意気込むのに、橋桁を渡る際に下馬してしまうという描写や、頼朝が梶原景季を嫌っていたからいけずきを与えず、父の供養をしていた為に遅参した佐々木高綱には与えるといった他の諸本には見られない描写があった。今後は平家物語の他諸本も使い比較をし、する墨といけずきに関しては伝承についても調べていきたい。
(文・発表者 野中くれあ氏)

以上、異類の会第50回例会(2015年2月25日・於大東文化大学)発表の要旨です。

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『平家物語』内において馬が登場する箇所を調べてみるとおよそ三つのパターンがあることがわかる。
 A ただ「馬」と記される。
 B 馬の毛色が記される。
 C 馬に名前が記される。
以上の三つである。
今回はBとCに注目した。すると、Bの際には馬の所有者である装束がともに描かれることが多い。そのため馬は装束として描かれていると指摘できる。諸本で比較してみるとそれぞれに違いが確認できた。
次にCの場合であるが、馬の名前が記される際には馬そのものが場面内で重要な役割を担わされていることが多いとわかった。
また、『源平盛衰記』にのみ指摘できる特徴として、馬の名前を列記する箇所が指摘できる。百科全書ふうの『盛衰記』の性格がうかがえる。


以上、発表者の大谷貞徳氏による要旨でした。

来月の異類の会は下旬に都庁展望台で開催する予定です。
よろしく御参集ください!

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