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異類(人間以外のキャラ)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・同人誌などジャンルを越境する会です。
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 『精進魚類問答』は精進物と魚類、すなわち野菜や植物素材の料理と魚介類を主とする海産物との争いを主題とする江戸後期の戯作である。作者は吉田可水という伝未詳の人物である。この作品がどこで作られたのかもよくわからない。しかし、本文をつぶさにみると、ある程度は見当が付けられそうである。
 まず南京坊一官というキャラクターがいるが、これは野菜の南京の擬人化である。南京というのは今日でいうカボチャであり、今でも関西地方ではナンキンという呼び方がある。
 さらに絞り込んでみると、たとえば大麦大納言の一子として「ひらかしの助酢五郎」というのが出てくる。「ひらかし」というのは「ひらかす」という動詞で茹でるという意味。今でも福岡地方で使われているようである。「ひらかし麦飯」という日常食がかつて当地方で食べられていた(『聞書 福岡の食事』)。麦は大麦の一種だから、これを大麦の一子とするのは、ひらかし麦が前提としてあるからだろう。
 このほかにも海苔尽くしの一節があるのだが、そこには「菊池のり」が出てくる。これは肥後、今の熊本県の菊池川で採れる海苔のことである。「平すの鰤助」の「平す」は長崎地方でいうブリ。
 このように、本作品に見られる擬人名からは九州地方特有の語彙が散見される。してみると、その成立が九州地方である可能性は非常に高いと考えられるのである。

以上、発表者伊藤慎吾による要旨でした。
次回は明日です!時間・場所は同じ。

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