異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
日時:1月26日(日)15:00
会場:オンライン(Zoom)
タイトル:
琵琶湖の魚をめぐる近世の「知」の世界
ーー「ガナイタ」に注目してーー
ーー「ガナイタ」に注目してーー
発表者:服部友香氏
要旨:
2023年11月、X(旧Twitter)でtera(寺西政洋)氏が紹介した「ガナイタ」という謎の魚の図像が話題となった。
この図像は幕府の奥医師、博物学者であった栗本丹洲(1756-1834)の『皇和魚譜』に見えるもので、細長い体と長いヒレ、つぶらな目、3本の長い髭が生えている上顎と突出した下顎が特徴的である。添えられた解説によれば琵琶湖に生息しており、トゲがあって人を刺すという。ナマズ目の魚に似てはいるものの、このような特徴を有する魚の存在は確認されていないため、UMAとして扱う向きもある。
本発表では、近世後期に琵琶湖周辺の諸藩の藩士により行われた湖魚研究や丹洲をはじめとする博物学者の著作において、「ガナイタ」がどのように扱われてきたかを明らかにする。そして湖魚に関する先行の資料を引用、転写する過程で『皇和魚譜』の「ガナイタ」が生み出されたことを指摘するとともに、それが丹洲の著作への信頼を背景として後続の図譜などに踏襲されていった可能性を示したい。
※来聴歓迎! 初めて参加する方はX(舊Twitter)
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タイトル:
澁澤龍彦『東西不思議物語』と柴田宵曲『妖異博物館』その他
発表者:
伊藤慎吾
発表者:
伊藤慎吾
要旨:
エッセイストであり小説家でもある澁澤龍彦(1928-1987)の著書『東西不思議物語』(1977年)は古今東西の怪異・オカルトの文献を縦横に使って書かれたエッセイをまとめた作品である。欧州のオカルト、モンスターをもっぱら取り上げてきたこれまでのエッセイに比べ、日本の怪異・妖怪を中心に紹介しているのが特色だろう。
今回は、澁澤が執筆にあたって利用した文献がどのようなものであったか、柴田宵曲『妖異博物館』を中心に見てきた。
『東西不思議物語』は、同時期に執筆された『思考の紋章学』と同様に、日本の〈不思議〉に力点を置いて執筆されたものだった。しかし、執筆姿勢は対照的に、不思議な事柄を考察するのではなく、紹介にとどまるものだった。したがって資料探求に手間をかけず、旧稿を流用したり、手近な文献を参考にしたりして執筆された記事も多い。その主要な参考文献として位置付けられるのが柴田宵曲『妖異博物館』であった。
『妖異博物館』の引用には、明記して使う場合もあるが、多くの場合、明記せずに、近世随筆に見られるエピソードを孫引きのために使ったのだった。中には、記事全体が『妖異博物館』の記述に従うものもあるほどである。このようなエッセイの執筆態度は、「9 自己幻視のこと」における吉村博任『泉鏡花・芸術と病理』、「14 ウツボ舟の女のこと」における柳田國男「うつぼ舟の話」、「20 キツネを使う妖術のこと」における幸田露伴『魔法修行者』、「22 トラツグミ別名ヌエのこと」における『善庵随筆』、「23 幻術師果心居士のこと」における古賀三樹『見世物の歴史』についても同じである。
澁澤の日本回帰の流れの中で、特に〈不思議〉や〈妖怪〉に関わる事柄について、『妖異博物館』の与えた影響は大きいのではないだろうか。
今後はこれを手掛かりに、1960年代以降の妖怪文化史の中で、『妖異博物館』がどのような役割を持っていたのかを考えていきたい。(文・伊藤慎吾)
*これは2024年12月27日(金)にオンライン(Zoom)で開催された第150回の要旨です。
*上記の文章を直接/間接に引用される際は、 必ず発表者名を明記してください。
*次回は1月26日(日)15時にオンライン(Zoom)で開催予定です。
*次回は1月26日(日)15時にオンライン(Zoom)で開催予定です。
日時:12月27日(金)15:00
会場:オンライン(Zoom)
タイトル:
澁澤龍彦『東西不思議物語』と柴田宵曲『妖異博物館』その他
発表者:伊藤慎吾
要旨:
エッセイストであり小説家でもある澁澤龍彦(1928- 1987)の著書『東西不思議物語』(1977年) は古今東西の怪異・ オカルトの文献を縦横に使って書かれたエッセイをまとめた作品で ある。欧州のオカルト、 モンスターをもっぱら取り上げてきたこれまでのエッセイに比べ、 日本の怪異・妖怪を中心に紹介しているのが特色だろう。今回は、 澁澤が執筆にあたって利用した文献がどのようなものであったかを 考えていく予定である。 特にそれらの文献の中でも興味深いのが柴田宵曲『妖異博物館』 なので、その受容実態を中心に見ていきたい。
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タイトル:
「豊都鬼城」からみる現代中国における鬼のイメージ
発表者:
李江龍氏
発表者:
李江龍氏
要旨:
現在、中国重慶市の「豊都鬼城」 は鬼に関する観光地として人気がある。
1980年代に成立した「豊都鬼城」現在、中国で鬼が幽霊のことを指すのは一般の認識である。
豊都鬼城において、鬼のオブジェは「鬼門関」と「天子殿」
大きな桶を抱く「酒鬼」に祈願すれば、
一方、観光客と地域社会は常に軋轢が生じている。
*これは11月23日(土)にオンライン(Zoom)で開催された第149回の要旨です。
*上記の文章を直接/間接に引用される際は、 必ず発表者名を明記してください。
*次回は12月27日(金)15時にオンライン(Zoom)で開催予定です。
*次回は12月27日(金)15時にオンライン(Zoom)で開催予定です。
日時:11月23日(土)15:00
会場:オンライン(Zoom)
タイトル:
「豊都鬼城」からみる現代中国における鬼のイメージ
発表者:李江龍氏
要旨:
1980年代に成立した「豊都鬼城」 は中国の重慶市豊都県に位置し、冥界や鬼を題材として、 鬼の文化を宣伝する観光地である。そこでは、 冥界の鬼たちのオブジェや「天子殿」、「鬼門関」 など有名な冥界の風景を再現している。豊都には「 あの世の都がある」という伝説が流れたため、「幽都」、「鬼都」 などの別称もある。
本報告では、現地調査の成果を踏まえて、※来聴歓迎! 初めて参加する方はX(舊Twitter)
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プロフィール
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異類の会
年齢:
15
性別:
非公開
誕生日:
2009/09/15
自己紹介:
新宿ミュンヘンで誕生。
連絡先:
gijinka☆way.ocn.ne.jp
(☆を@にかえてください)
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