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異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
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タイトル:日本中世の地震と異類ーー龍神説の形成と展開
発表者:児島啓祐氏

要旨:
 本発表では、日本中世の龍神説の形成と展開について、元暦地震(1185年7月9日)の事例を中心に、考察を試みた。所説の一般性・普遍性を論じる以前に、まずは書物固有の性質や文脈を踏まえて事例を捉えることの重要性・有効性を指摘した。具体的には、これまでの研究でとりあげられた公卿日記や歴史書に見える龍神説の事例のほとんどは、占術の判定結果なのであって、それらによって時代一般の認識といえるかどうかは、慎重に考える必要があるということを論じた。すなわち本発表を通じて、龍神説中心に中世の地震観を説明することへの疑問を提示したのである。
 質疑応答では、『今昔物語集』巻三十一の鯉説話や『平家物語』の龍神説話群、『渓嵐拾葉集』等々の、他の説話・類話との関係を視野に入れて考察を深めていくべきであると御指摘をいただいた。さらに、「信仰」という語の使用が曖昧であり、より適切に表現すべきというアドバイスや、『天地瑞祥志』の成立に関しては最新の先行研究を参照すべきという御教示をいただいた。他にも、国家鎮護と災害はどのような関係にあるか、「平家と龍神」説が結びつく初見は何か、ウロボロス的世界観を日本の学僧はいかに享受したか、『愚管抄』の龍の説はどの程度の影響力があったか等々の御質問を頂戴した。(文・児島啓祐氏)


これは2021年3月21日(日)にオンライン開催された第107回の報告です。
※次回は4月25日(日)15時にオンラインで開催します。

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