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異類(人間以外のキャラ)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・同人誌などジャンルを越境する会です。
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現在でもよく知られている「猿蟹合戦」という昔話の江戸時代におけるバージョンを考察した。十八世紀の始まり頃から幕末までの間に作られた資料
を四つの段階に分けた上で、それぞれの段階の特徴を際立たせた。
第一段階の子供絵本では、上方で出版されたものと江戸で出版されたものに大きい差があったことを確認できる。筋にしても助っ人の種類にしても、話が様々であり、
沢井耐三氏の指摘したように、西日本における「猿ヶ島敵討ち」と東日本における「猿蟹合戦」という二つの類型がまだ別々に存在していたことがはっきりとわかる。それに、蟹の敵が一匹の猿ではなく、猿の団体になっていることもあり、猿に囚われた女の人を助けに行く話もあることが、猿蟹合戦が成立しはじめた時、すでに日本にあった鬼ヶ島や猿神退治という伝説の影響も受けたと考えられる。
第二段階と第三段階の大人向けの黄表紙や合巻では、猿蟹合戦が他の昔話と混ぜ合わせられ、結末が猿を懲らしめるものと、蟹と猿が和睦するものと、二つになる。十八世紀の後半と十九世紀の前半に流行した、めでたいメッセージで終わる文学作品の影響が著しかったと言えよう。
第四段階の幕末の作品には二つの結末の存在が続くにもかかわらず、話の筋が固まってゆき、蟹の助っ人が三人(臼・卵・蜂)に限定される。これは、猿蟹合戦の読者が改めて子供となり、子供向けのおもちゃ絵や豆本という新しい出版物の影響て?話が簡略化したことがわかる。
このように、今語られている話には、結末の二種類があること、または蟹の助っ人がある程度定まっていることなどに、口承文学の多様性だけではなく、少なくとも江戸時代の文学の影響も受けたたことを論じた。今後とも口承文学と古典文学との関わりを検討するべきであろうと思う。

(文・エレナ・フォッラドール(Elena Follador)氏)

 以上異類の会69回例会(2016年12月10日・於國學院大學若木タワー)の要旨発表の要旨です

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