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異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
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異類の会 第34回例会の御案内

日時:2月25日(月)14:00~17:00

  
場所:専修大学 神田キャンパス 7号館6階764教室
   ※最寄り駅―地下鉄の九段下駅あるいは神保町駅
    7号館―一番高い建物のわきにある、
       比較的あたらしいグレーの建物
http://www.senshu-u.ac.jp/univguide/profile/access/kanda_campus.html

飯島奨氏
「『おおかみこどもの雨と雪』を読む」

要旨:
 
2012年夏に公開されたアニメーション映画『おおかみこどもの雨と雪』は、大学生のハナと「彼」と呼ばれるオオカミの血を引く男が出会い、二人のあいだに雪と雨というの二人の子供が生まれ、そしてその二人の子供たちがそれぞれの道へ自立しハナの手元を離れていくまでの13年間の物語である。
 この物語は人間の女とオオカミの男とが結婚するという異類婚の話型が見られるが、なぜ今異類婚なのか、そして、なぜこの異類婚の物語がアニメーション映画として成功しているのか、また、この異類婚の物語は裏側にどのような原理をもつのか、以上のような問いにせまってみたい。

※初めて参加を希望される方は、下記にご一報くださるとありがたいです。
 本ブログ右側のプロフ記載の連絡先、もしくは@NarazakeMiwa(ツイッターID)


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本発表では古典作品に登場するネコを取り上げ、
上代から中世初期までのネコの認識を時代ごとに追究した。

飼いネコは、奈良時代に大陸から日本に渡ってきたとされる。平安中期頃まではまだ希少な動物であったと目され、『枕草子』、『源氏物語』、『狭衣物語』、『更級日記』などの中古の古典作品には、貴族達に寵愛される愛玩動物として登場しており、紐で繋いで飼われるなどしている。

平安末期以降になると、ネコの生息数が増えたと目される。『今昔物語集』に於いてもネコが希少な動物であるという認識は希薄になっている。またこの時期、「のらねこ」という言葉も出現しており、野生化したネコの発生も推察される。
ところで、実は「猫また」などのネコの怪異譚が出現する時期は、「のらねこ」の発生した時期と重なっている。このことを受けて、ネコが希少な動物であった時代とは異なって、ネコに関して人々の眼の届かない側面が生じてきたことがネコの怪異譚が出現の要因の一つとして指摘した。
現実に於ける人とネコの関わりの在り方の変遷が、ネコにまつわる認識や表現、言説にどのように連関しているか。
今後は考古学の成果にも眼を向けつつ明らかにして行きたい。


以上、平成25年1月28日開催(於・青山学院大学)の第33回例会における発表要旨です(発表者:杉山和也氏)。

※次回は2月25日14時に開催します。

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まず擬人化という方法は〈たとえ〉の具体化であること、さらに擬人化キャラクターは原則として物語世界の住人であることを検証した。そして擬人化キャラクターを神や妖怪と区別する根拠としてキャラクターの存立する世界との関連性が重要であることを説く。
大枠としては次のように整理できるだろう。
1)すべての異類が人間的な言動をとらない世界→現実世界
2)すべての異類が人間的な言動をとる(そして共存する人間は何ら疑いをもたない)世界→擬人化世界
3)多くの異類は人間的な言動をとり、一部の異類はとる世界→現実世界(一部の異類は異能のキャラクター)
4)人間に対する異類は人間的な言動をとらず、異類に対する異類はとる世界→現実世界/擬人化世界の視点切り換え

ついで女体化キャラクターの現状について考察した。
近年、女装男子が二次元を越えてリアルでも増えてきてる。それに応じて男の娘になるためのガイドブックも次々に出されている。これらに共通するのは、二次元キャラクターをモデルとする点に特色がある。
一方で性の中間域への関心という点で共通すると思われるが、女体化キャラクターの創出も近年顕著に窺われるところだ。
女体化は後天的な設定としては変身・憑依・入れ替わり・手術などが用いられるが、先天的な設定も多い。とりわけ歴史物が拡大し続けている。
この点について『円卓生徒会』『萌訳 平家物語』『Fate』シリーズなど具体的に示しながら論じた。

擬人化と女体化の問題については、今後、キャラクター変換と関連付けて考察を進めていきたい。

以上、平成24年12月11日開催(於・青山学院大学)の第32回例会における発表要旨です(発表者:伊藤慎吾)。

※昨日開催の第33回例会要旨についても、近々アップします。

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異類の会第33回例会の御案内

日時:1月28日(木)18時00分~

  
場所:青山学院大学・17号館3階17301教室


杉山和也氏
「日本に於けるネコの認識

要旨

本発表では古典作品に登場するネコを取り上げる。
上代から中世初期までのネコの認識を時代ごとに追究する。
そして、猫またなどの化けネコが出現するに至った要因等について検討する。

※初参加の方は、下記にご一報くださいませ。
 @NarazakeMiwa(ツイッターID)

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 本発表では、『簠簋抄』「三国相伝簠簋金烏玉兎集之由来(以下、「由来」)」を取り上げ、まず、その〈秘伝書獲得譚〉としての読みの可能性を示した。

「由来」は陰陽道の秘伝書「金烏玉兎集」が天竺から唐を経て、日本の安倍清明に伝授される過程を描くが、「由来」後半部分で「金烏玉兎集」は、清明の弟子・道満によって奪われてしまう。道満が清明の妻・利花の協力を得、秘伝書を納めた石匣から秘伝書を手に入れる場面は、御伽草子『判官みやこばなし』等において義経が兵法の秘伝書を入手する場面と類似関係にあり、「由来」が、鬼一法眼譚と同種の、〈秘伝書獲得譚〉としての要素を含んだテキストであるということが言えるだろう。

 次に、〈秘伝書獲得譚〉という視点から「由来」を捉えなおし、「由来」の編纂意識に関して考察を行った。
 「由来」には、吉備真備入唐譚や龍宮訪問譚や玉藻前説話といった、先行する安倍晴明伝承とは関連度の低いとされる説話がいくつか含まれているが、秘伝書というキーワードを中心に、それらの説話が連想可能な位置にある説話群であり、「由来」の編纂意識に、〈秘伝書獲得譚〉を始めとした、〈秘伝書にまつわる説話〉という発想が働いているのではないか、という可能性を指摘した。

以上、発表者中野瑛介氏による要旨でした。

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2009/09/15
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新宿ミュンヘンで誕生。

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