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異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
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タイトル:
 『日本擬人名辞典 お伽草子編』を作ってみたい

発表者:伊藤慎吾

要旨:
一般に擬人名というと、名無しの権兵衛や助兵衛、土左衛門、坂東太郎といった、慣用的に社会で用いられる名詞を指すことが多い。
戦前に宮武外骨が『日本擬人名辞書』を、戦後に鈴木棠三が『通名・擬人名辞典』を編み、それらを網羅した。
今回はまずその概要と特色、問題点を示した。
鈴木は「擬人法による作り名の最も多く登場」するのがお伽草子異類物であることを指摘しながらも、辞典には採用しなかった。
そこで、鈴木のやり残した「お伽草子作品に見られる擬人名」を集め、どのように辞典としてまとめることができるのか、検討してみた。
まず、全体のコンセプトとしては、素材とキャラクターを中心とする擬人名辞典とする。
キャラクター名(「磯の和布」「鰤丹後守」「鼠の権守」など)の扱いや、付録資料、索引の条件など説明。
これを大枠として個々の問題点を抽出して対処法を説明した。
またカテゴリー設定の問題点に言及し(たとえば蛙や蛇を「虫」とするか現代のように「両生類」「爬虫類」とするか。また食材としての魚を「魚介」としていいのか等)。
近世の異類合戦物の進展とともに、お伽草子の擬人名とそれらの膨大な擬人名データを繋げる必要が出て来るだろう。
辞典作りの段階で、どのような布石を打っておくかが今後の課題となる。
(文・伊藤慎吾)



*これは2025年8月31日(日)にオンライン(Zoom)で開催された第158回の要旨です。
*上記の文章を直接/間接に引用される際は、必ず発表者名を明記してください。
*次回は9月31日(日)15時にオンライン(Zoom)で開催予定です。

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