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異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
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日時:2月23日14時
会場:青山学院大学・14号館(総研ビル)6階 14609教室

発表者:三浦理沙氏
題目:現代における幽霊譚の研究

要旨:
人々が語る幽霊譚を資料として、現代における死霊観を明らかにすることを目的とする。
今回は、幽霊の出現を生者による死者への記憶(メモリアル)として捉えることとし、その死に対する生者の心情を論点として、松谷みよ子『現代民話考』に収録された事例や、聞き書きで得た幽霊に関する話から分析と考察を行なった。
面識・原因・時間・場所・働きかけ方という項目を立て、幽霊の出現パターンの傾向を導き出すことを試みた。
生者のどのような心が幽霊の出現を引き起こすのかを見出したいと思う。

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日時:1月26日14時
会場:青山学院大学・14号館(総研ビル)14609教室
発表者:杉山和也氏
題目:前近代東アジアの臨海諸地域に於けるシャチの認識 ―日本の事例を中心として―
要旨:
中世日本に於いてシャチホコは、ワニ、フカ、クジラとともに海の「をそろしき、大きなる物」として近しい認識で捉えられていたわけである。ところが近世以降、クジラに対する認識の変容が起こったのを主な端緒として、その相関関係に変化が生じることとなる。本発表では、日本に於けるシャチの認識の変遷をたどる。その上で朝鮮半島やベトナム、蝦夷地に於けるシャチ〈発見〉をめぐる言説の幾つかを瞥見し、それぞれの位置について検討してみたい。

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日時:11月10日(土)14時~
会場:國學院大學若木タワー14階打ち合わせ室

発表者:林京子氏
題目:異類出現の霊地下野岩船山

要旨:
 栃木県栃木市の岩船山は中世以来の霊山で現在も連綿と信仰されている。しかしその内実は似て非なる信仰の連続体であり、混沌の中から聖なる異類が立ち上がる霊地である。
 岩船山の聖性はこの場所の景観に由来する。北を指す船型の巨石(岩船)は、古代はカミの依代である磐座として、中世はそこに地蔵と言う死後世界のカミが顕現する場と考えられた。「伯耆大山の僧が夢告で岩船山に至り、山に住む貧しい法師が村人の頼みに応じて分身するのを見、翌日岩船の上で法師の躰を割いて出現する〈生身の地蔵〉を見て、地蔵から増える不思議なお米を貰う」という説話が中世の地蔵菩薩霊験記や大山寺縁起にも見られる。この物語は「米」を巡る宗教思想大系の一つとも考えられる。山内の夥しい板碑群があり、この山が高名な霊場であったことを示唆する。岩船山上は1584年戦火で焼失した。
 近世初期、寛永寺のテコ入れで山上に高勝寺が創建され、きわめて戦略的な「下野州岩舩山縁起」(漢文)が天海の弟子によって製作された。ところがわずか74年後には、先行する縁起とは異なる華麗な縁起絵巻「岩船山地蔵菩薩縁起」(かな)が作られ、中世の垂迹聖人と似て非なる〈新しいカミ〉が死者を救済する場として参詣者を誘引するようになった。聖なる石は子授けの陰陽石と見なされ、高勝寺は地蔵の持つ死者供養と子授け祈願の機能を持つようになった。
 近現代に入ると岩船山は「換金可能な石の山」と見なされ人々は容赦なく山を破壊した。すると破壊された山の中に中世とは似て非なる異類が顕現するようになった。さらに岩船山には天狗伝承がある。現在も高勝寺が頒布しているお札に描かれた異類は、中世のダキニ天信仰との関連が感じられる。
 発表者は山上の蓮華院高勝寺縁起類のデジタル複本作成と解題事業を行っている。本発表ではその過程で得られた知見の一部である。絵巻の未公開画像や岩船山の景観、天狗信仰などを紹介し、早急な修復が必要な高勝寺の一助になることを願うものである。

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日時:11月10日(土)14時~
会場:國學院大學若木タワー14階打ち合わせ室

発表者:沼賀健一郎氏
題目:伝説研究の意義――赤城山男体山神戦伝説・俵藤太百足退治伝説を例に――

要旨:
群馬県と栃木県には「赤城山の神と男体山の神がそれぞれ百足と蛇に変じて戦い、男体山は猟師小野猿丸の助けを得て勝利した」という神戦伝説が存在する。しかし、「小野猿丸」ではなく「俵藤太秀郷」の場合もあり、また、群馬県の一部地域には単に「二神が戦った」とする傾向も見られるなど、その内容は一様ではない。
また、滋賀県には「俵藤太秀郷が蛇を助け百足を退けた」というよく似た伝説がある。それぞれの形成過程を検討すると、離れた地域にも関わらず、中世のほぼ同時期に百足退治譚が登場したことがわかる。
「俵藤太秀郷」のモデルとなったのは、実在の人物であり、平将門を討ったことで有名な藤原秀郷である。両伝説の分布・変化の背景には、彼の子孫である「秀郷流」が、平将門討伐・百足退治の英雄譚をアイデンティティとして京都周辺や北関東で活動した歴史が密接に関わっている可能性がある。
本題目では、幻想的な伝説が実際の歴史の流れの中でいかに人々に取り扱われ、伝播していったのか、その様相の一端を考察する。さらに、歴史を明らかにする一つの方法としての伝説研究の可能性を検討する。

※来聴歓迎!

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日時:10月13日(土)14時~
会場:武蔵大学3号館2階 院生GSルーム
※最寄り駅:西武池袋線江古田駅
https://www.musashigakuen.jp/access.html


発表者:アンダソヴァ・マラル氏
タイトル:カザフスタンにおける鬼
要旨:
中央アジアは古くから様々な宗教や信仰が流れていき、交差するところであった。シャーマニズム、ゾロアスター教、仏教、イスラム教やキリスト教などである。鬼に対する観念も、多様な宗教的世界観が交わった結果成立しており、各々の語り手によって伝えられてきている。
本発表では、カザフスタンの鬼に注目することによって、中央アジアの宗教世界の一端を考察する。

※異類の会初の中央アジアのお話です。来聴歓迎。

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2009/09/15
自己紹介:
新宿ミュンヘンで誕生。

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