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異類(人間以外のキャラ)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・同人誌などジャンルを越境する会です。
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 『勧学院物語』は前半に問答という舌戦、後半に宴や歌の場面、結末に出家を持ってくるもので、およそ室町物語の作風を踏襲した江戸前期の異類物作品と評されるものだろう。また、ネーミングの趣向も典型的なものであるが、しかし謎解きの説明を本文中に加えているところに特色の一つがあった。だが、最大の特色が何かといえば、それは主人公のスズメが人間を除くおそらく動物社会の頂点にあることだろう。すなわちスズメを皇胤として諸鳥が参じ、さらにはその権威が獣、魚介類にも及んでいるのだった。
 一方、キャラクターの造形方法として、一貫して鳥獣は頭部異類型、貝は異類着装型をしている。人間が彼ら動物たちと共存する世界観のもと、これら擬人化キャラクターは存在しているわけで、このことはリアリティよりも寓話性を志向した作品であることを示すのであろう。
 またキャラクター造形の在り方から、さらに江戸前期に作られた諸作品にも視野を広げ、擬人化の造形が当時の標準的なものであることを確認し、その上で、タイやコンブ、また小雀が擬人化されていない点に注目した。鳥、魚、海藻は本来擬人化されてしかるべき対象だったからである。それがなされていないのは、すなわちタイ、コンブが食料であり、また祝儀品であること、小雀もまた食料であり、また獲物であることに要因があるだろうと考える。言い換えればキャラクターではなく、モノであったわけだ。

以上、発表者伊藤慎吾による要旨でした。

なお、本発表内容は鈴木健一編『鳥獣虫魚の文学史』第2巻(三弥井書店・近刊)に掲載予定です。
こちらもよろしくお願いします。

次回、6月例会は今月17日の予定です。

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