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異類(人間以外のキャラ)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・同人誌などジャンルを越境する会です。
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山梨県長源寺『蟹坊主』伝説について」

発表者:田中教如氏
要旨:
山梨県の中心部、山梨市の万力にある「長源寺」という曹洞宗の寺院には「蟹沢山」という山号が付いており、それに合わせるように『回国の僧が蟹の化け物を退治した』という伝説が縁起として残されている。
伝説の内容としては、
『夜な夜なこの地に化け物が現れて人々が苦しんでいたところ、密教の法印がそれを退治しようとやって来る。法印は「両足八足大足二足横行自在」の問答に打ち勝つことにより、化け物の正体を蟹だと見破り、独鈷で蟹の殻を叩き割る。倒された蟹からは千手観音が現れ、その後法印は「ここは禅林の地だ」といって曹洞宗の僧に頼み、ここに長源寺を建てた。』
というものである。
由緒書きによるとその密教の僧は『中山救蟹庵主』なる人物であるらしいのだが、今一つ調べてもどんな人物なのかはっきりとしない
更にこの伝説に似た話は各地に存在しており、殆どが曹洞宗や禅宗に関わるものであった。やはり『問答』という要素と禅宗は切っても切り離せないのであろう。
そこで問題になってくるのが、何故長源寺の蟹坊主伝説は曹洞宗の話であるのに、主人公は密教の法印であるのかということである。これは、堤邦彦『近世説話と禅僧』に見られるように、曹洞宗の布教活動、地方進出の作戦のひとつではないかと結論付けた。
曹洞宗は地方に根を広げるにあたって、土着の宗教がそのまま曹洞宗の外護者であったという伝説を作ってしまうことがよくある。
つまり、密教と禅宗が混ざりあったようなこの不思議な伝説は、元からその地方に根付いていた密教を、あとから進出してきた曹洞宗が、形を変えずにそのまま飲み込むための方法だったのである。

(発表者談)
私が発表させていただいたのは、ひとまずここまでであったのですが、質疑応答で・鉄人伝説と共通するところがある・問答に漢字の知識を前提としている等々、様々な有意義なアドバイス、助言を頂き、まだ調べが甘かったことを痛感いたしました。調べる範囲も多く、今後研究を続けていくとすれば、何かしらテーマを絞り、そこを深く掘り下げていくような研究をしていきたいと思いました。御静聴ありがとうございました。
(以上、発表者識す)

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