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異類(人間以外のキャラ)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・同人誌などジャンルを越境する会です。
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永井荷風の日記『断腸亭日乗』の太平洋戦争前後の記事(とくに昭和15年から16年にか けて)には、他者による投書や落書がたびたび引用されている。その中には、近世の俳文や黄表紙を模して動物などの〈異類〉を活躍させたものや、近世の落書を模した上で、政治批判を〈妖怪〉の姿に託したものなどもある。
本発表では、戦時下において、こうしたある種の江戸趣味に基づく作品がいかなる意味を持ち合わせて創作・受容されていたのかについて若干の考察を試みた。『断腸亭日乗』に記録された戦時下の投書および落書は、“匿名の作者が特定の人物(ここでは荷風)を目指して行った表現行為”と、“匿名の作者が不特定多数の人物を対象にして行った表現行為”に二分できる。さらに、これらは、匿名の作者による表現行為と、それを自らの筆で記録する荷風という、重層的な構造によって後世に残された作品でもあった。
また、以上の考察を通して、新たに以下のようなテーマも浮上してきた。一つは、前近代の〈異類〉と、近代以降の〈異類〉の接点と差異である。もう一つは、主として子供向けに発展した“キャラクター”的な意味合いを持つ〈異類〉と、大人向けに発展した、諧謔を通じた政治・世相批判を含む〈異類〉の役割の差である。今後は、戦時下の〈異類〉たちを含めたかたちで、こうした大局的な問題についても考察を深めていきたい。(文・発表者 今井秀和氏)

以上、異類の会第51回例会(2015年3月18日・於大東文化大学)発表の要旨です。


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