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異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
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第159回開催のご案内

日時:9月21日(日)15:00開始
会場:オンライン(Zoom)


タイトル:
 松永貞徳『なぐさみ草』説話記事について
 ―貞徳の怪異への視点など


発表者:池上保之氏


要旨:
松永貞徳の徒然草注釈書である『なぐさみ草』(慶安5年跋)は先行する注釈書の影響も受けつつ成立した。一方で独特な点として、貞徳の徒然草1段ごとの解釈を示す「大意」を有する。(154図に及ぶ挿絵も重要)この大意では、徒然草の内容に引き付けて、貞徳自身の体験や、連想される説話を記す所がある。そこでは幽霊やキツネが話題となることもある。また信長やキリシタンへの言及など、多様である。今回は、『なぐさみ草』大意の説話記事を整理し、その特徴を探ってみたい。

※来聴歓迎! 
  初めて参加する方はX(舊Twitter)
  @NarazakeMiwa
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タイトル:
 『日本擬人名辞典 お伽草子編』を作ってみたい

発表者:伊藤慎吾

要旨:
一般に擬人名というと、名無しの権兵衛や助兵衛、土左衛門、坂東太郎といった、慣用的に社会で用いられる名詞を指すことが多い。
戦前に宮武外骨が『日本擬人名辞書』を、戦後に鈴木棠三が『通名・擬人名辞典』を編み、それらを網羅した。
今回はまずその概要と特色、問題点を示した。
鈴木は「擬人法による作り名の最も多く登場」するのがお伽草子異類物であることを指摘しながらも、辞典には採用しなかった。
そこで、鈴木のやり残した「お伽草子作品に見られる擬人名」を集め、どのように辞典としてまとめることができるのか、検討してみた。
まず、全体のコンセプトとしては、素材とキャラクターを中心とする擬人名辞典とする。
キャラクター名(「磯の和布」「鰤丹後守」「鼠の権守」など)の扱いや、付録資料、索引の条件など説明。
これを大枠として個々の問題点を抽出して対処法を説明した。
またカテゴリー設定の問題点に言及し(たとえば蛙や蛇を「虫」とするか現代のように「両生類」「爬虫類」とするか。また食材としての魚を「魚介」としていいのか等)。
近世の異類合戦物の進展とともに、お伽草子の擬人名とそれらの膨大な擬人名データを繋げる必要が出て来るだろう。
辞典作りの段階で、どのような布石を打っておくかが今後の課題となる。
(文・伊藤慎吾)



*これは2025年8月31日(日)にオンライン(Zoom)で開催された第158回の要旨です。
*上記の文章を直接/間接に引用される際は、必ず発表者名を明記してください。
*次回は9月31日(日)15時にオンライン(Zoom)で開催予定です。

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第158回開催のご案内
 
日時:8月31日(日)15:00開始
会場:オンライン(Zoom)

タイトル:
 『日本擬人名辞典 お伽草子編』を作ってみたい

発表者:伊藤慎吾
要旨:
一般に擬人名というと、名無しの権兵衛や助兵衛、土左衛門、坂東太郎といった、慣用的に社会で用いられる名詞を指す。
戦前に宮武外骨が『日本擬人名辞書』を、戦後に鈴木棠三が『通名・擬人名辞典』を編み、それらを網羅した。

ところで室町時代以降の短編物語(=お伽草子)の中には人間ならざるものを擬人化し、中でも個体名(キャラクター名)を付けるものが見られるようになった。
しかし、宮武・鈴木の擬人名辞典にはそれらが対象外となっている。
擬人化キャラクターはしばしば「名は体を表す」ことを体現しており、それゆえに、鳥獣虫魚をはじめ、万物にどのようなイメージが込められているのか考えるヒントになることが少なくない。
擬人名はその重要な手がかりだ。

そこで、様々なお伽草子に描かれる擬人化キャラクターの個体名を辞典の形式で整理することはできないかと考えてみた。
が、個人研究の備忘にとどめるのではなく、一般の利用に耐えうるものにするにはどうしたらいいか。
これがよく分からない。
そういうわけで、今回は研究発表ではなく、参加者の皆さんから様々なご意見・アイディアを頂戴したいと思う。


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タイトル:
 牛天神貧乏神祭祀伝承に関する再攷


発表者:
 羽鳥佑亮氏

要旨:
本発表では、『耳袋』巻之二「貧窮神の事」などにおいて、当時の世間話とし記録された、牛天神に関わるところにおいて貧乏神を祭祀したとする言説を、仮に「牛天神貧乏神祭祀伝承」として俎上に載せた。先行研究においては、『耳袋』当該話を、何らかの災厄をもたらす神格を祀り福徳を得ようとする事例として引用がなされてきた。これには、『耳袋』当該話と類話とされ、また、牛天神貧乏神祭祀伝承を記す、『兎園小説』第九集「窮鬼」も、いわばこの論を補うかたちで用いられてきた。
しかし、『兎園小説』当該話には引用元の提示がある。『四方のあか』巻上「日ぐらしの日記」だが、これについては言及されることがなかった。
そこで、『四方のあか』当該話を確認すると、貧を追うために祀るもので、貧乏神を祀り福徳を得ようとするものではなかった。しかも、これを言いだしたのは狂歌を専らとする千里亭白駒という人物であり、信用に値するか疑問で、戯れに述べたとも想像できる。
これとともに、牛天神別当泉松山竜門寺により、貧乏神を「黒暗天」とし、御影を描いた護符が出されていた。明治の神仏分離にともない別当泉松山竜門寺が廃絶し、北野神社となると、これにともない、「黒暗天」祠は「太田神社」となる。当時の雑誌などからは、このときから北野神社では、牛天神貧乏神祭祀伝承を積極的に公言しないさまがみてとれた。
これらから、牛天神貧乏神祭祀伝承は、江戸時代後期の戯れや世間話をもとに、牛天神別当泉松山竜門寺による関与が濃厚であると考えられる。
ひとつの発表としてはひろえなかった、断片的な記事も多い。今後の課題としたい。
(文・羽鳥佑亮氏)


*これは2025年7月27日(日)にオンライン(Zoom)で開催された第156回の要旨です。

*上記の文章を直接/間接に引用される際は、必ず発表者名を明記してください。
*次回は8月31日(日)15時にオンライン(Zoom)で開催予定です。

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第157回開催のご案内

日時:7月27日(日)15:00開始
会場:オンライン(Zoom)
タイトル:
牛天神貧乏神祭祀伝承に関する再攷
発表者:羽鳥佑亮氏
要旨:
貧乏神について、概説書や主だった先行研究をみてみると、江戸時代後期に編まれた随筆『耳袋』巻之二「貧窮神の事」にしばしば触れられる。
おおまかには、牛天神にできた祠は、小石川のある旗本があまりに貧しく、貧乏神を祀ったところ少しは幸いもあり、これを移したもの、という筋である。
上記、貧乏神に触れる概説書や先行研究は、当該話から、貧乏神は丁重に祀れば福神とも転じ福徳を授けることを示す事例とし、いわゆる両義性を、読みとり論ずる。だが、当該話そのものの変遷はほとんど触れられてこなかった。さらにいえば、本当に貧乏神を祀り福神と転ずる事例として良いのだろうか。また、貧乏神を論ずるに際して普遍化できる事例といえるだろうか。
本発表では、牛天神に関わるところにおいて貧乏神を祭祀したとする言説を、「牛天神貧乏神祭祀伝承」とし、俎上に載せ、その信仰のさまの変遷を改めて確認する。ここから、当該伝承が貧乏神を論ずるうえで、どの程度に普遍化できるか再攷する。

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2009/09/15
自己紹介:
新宿ミュンヘンで誕生。

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