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異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
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第157回開催のご案内

日時:7月27日(日)15:00開始
会場:オンライン(Zoom)
タイトル:
牛天神貧乏神祭祀伝承に関する再攷
発表者:羽鳥佑亮氏
要旨:
貧乏神について、概説書や主だった先行研究をみてみると、江戸時代後期に編まれた随筆『耳袋』巻之二「貧窮神の事」にしばしば触れられる。
おおまかには、牛天神にできた祠は、小石川のある旗本があまりに貧しく、貧乏神を祀ったところ少しは幸いもあり、これを移したもの、という筋である。
上記、貧乏神に触れる概説書や先行研究は、当該話から、貧乏神は丁重に祀れば福神とも転じ福徳を授けることを示す事例とし、いわゆる両義性を、読みとり論ずる。だが、当該話そのものの変遷はほとんど触れられてこなかった。さらにいえば、本当に貧乏神を祀り福神と転ずる事例として良いのだろうか。また、貧乏神を論ずるに際して普遍化できる事例といえるだろうか。
本発表では、牛天神に関わるところにおいて貧乏神を祭祀したとする言説を、「牛天神貧乏神祭祀伝承」とし、俎上に載せ、その信仰のさまの変遷を改めて確認する。ここから、当該伝承が貧乏神を論ずるうえで、どの程度に普遍化できるか再攷する。

※来聴歓迎! 初めて参加する方はX(舊Twitter)
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タイトル:
 鯰絵も繁殖する
 -
地震錦絵の表現形式


発表者:
 増田こころ

要旨:
本発表では、安政地震地に爆発的な流行を見せた「鯰絵」の、特にその表現形式に注目し、受容やその来歴について考察をした。

発表にあたっては、鹿島明神や人間が武器をもって鯰を攻撃する「退治型」、鯰が神仏と対峙した姿が描かれ、鯰の申し開きと地震よけとされる梵字が書かれる「護符型」、人間が鹿島明神や鯰を拝みながら願いや感謝を口にする「祈願型」、地震によって儲け遊び歩いた職人や、施行を渋ったため揶揄された金持ちが描かれる「諷刺型」、歌舞伎の台詞や御品書きを捩ったり、浮世絵をトレースしたりと思しき「模倣型」と大きく分類した。
これらは、それぞれが別の来歴をもち、安政地震以前からたびたび発行されていた出版物の形式に則って作成されていると考えられる。

また、受容を明らかにすることを発表目的としたものの、想像にとどまり、改めて各々の形式ごとに鯰絵という枠を超えて検討する必要がある。今後の課題としたい。

質疑では、「護符型」も護符を模しているという意味で「模倣型」に含まれるだろう、という分類についてのご指摘や、麻疹流行時の錦絵や教化戯文である「心躰安樂丸」の受容との関連、また調査方法についても様々ご教示いただいた。

受容の問題も含め、直近の課題は「護符型」に類する一群である。先述の通り、災害時の出版物に留まらず広くこれを集め検討の材料としたい。

また、皆さまからの、ご指摘ならびにご教示へ、この場をお借りして感謝申し上げます。
(文・増田こころ氏)


*これは2025年6月29日(日)にオンライン(Zoom)で開催された第156回の要旨です。

*上記の文章を直接/間接に引用される際は、必ず発表者名を明記してください。
*次回は7月27日(日)15時にオンライン(Zoom)で開催予定です。




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日時:6月29日(日)15:00 
会場:オンライン(Zoom)

1. タイトル:
 鯰絵も繁殖する
  -
地震錦絵の表現形式

発表者:増田こころ氏
要旨:
 鯰絵は、安政二年の地震時に爆発的な流行をみせたとされ、これまで「地震の表象」として一括的に扱われてきた。
 しかしこれらは、当然ながら構図や詞書においていくつかの差異が認められ、それぞれの来歴も異なるようである。
 本発表では、改めて鯰絵の構図や詞書など、表現上の特徴に基づく分類を通し、なぜ鯰絵はあれほど多様になったのか、人々は鯰絵をどのように受容していたのか考察する。

※来聴歓迎! 初めて参加する方はX(舊Twitter)
  @NarazakeMiwa
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タイトル:
 現代「子取り」談義
 -口承世界の妖怪たち



発表者:
 伊藤龍平

要旨:
 「口裂け女」研究で知られる野村純一は「話された妖怪」の研究の重要性を説いていた。「書かれた妖怪」「描かれた妖怪」の研究が全盛である現在、野村の提言は今後の妖怪研究の方向性の一つを示唆しているといえよう。本発表では、國學院大學の伝承文学系授業のリアクションペーパーの学生のコメントと、それに基づくフィールドワークをもとに、21世紀の口承世界に息づく妖怪たちについて報告し、一石を投じてみた。なかでも、人さらい妖怪、いわゆる「子取り」を中心に取り上げた。親子のコミュニケーションの間に息づく「子取り」こそ、いまも生きている口承文化の中の妖怪だからである。
(文・伊藤龍平氏)


*これは2025年5月25日(日)にオンライン(Zoom)で開催された第155回の要旨です。

*上記の文章を直接/間接に引用される際は、必ず発表者名を明記してください。
*次回は6月29日(日)15時にオンライン(Zoom)で開催予定です。

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日時:5月25日(日)15:00 
会場:オンライン(Zoom)

1. タイトル:
 現代「子取り」談義
  -
口承世界の妖怪たち

発表者:伊藤龍平氏
要旨:
 口承文芸研究者で、「口裂け女」研究で知られる野村純一は話された妖怪」の研究の重要性を説いていた。「書かれた妖怪」「描かれた妖怪」の研究が全盛である現在、野村の提言は今後の妖怪研究の方向性の一つを示唆しているといえよう。本発表では、授業時レポートの学生のコメントと聞き取りをもとに、21世紀の口承世界に息づく妖怪たちを、子取りを中心に取り上げ、一石を投じてみたい。

※来聴歓迎! 初めて参加する方はX(舊Twitter)
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2009/09/15
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新宿ミュンヘンで誕生。

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