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異類(人間以外のキャラクター)について研究報告・情報提供・談話をする集まりです。妖怪関連多め。時代や地域は問いません。古典文学・絵巻・絵本・民間説話・妖怪・マンガ・アニメ・ゲーム・同人誌などジャンルを越境する会です。TwitterID: @iruinokai
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第140回開催のご案内

日時:1月14日(日)15:00 
会場:オンライン(Zoom)

タイトル:孫太郎の探索4
     またまた孫太郎天狗に連れ回された件

発表者:林 京子氏
 
要旨:
 栃木県栃木市の岩船山には「孫太郎尊」と呼ばれる天狗の社がある。佐野市の「孫太郎稲荷」の本体は天狗で、姫路の孫太郎稲荷と奈良の薬師寺の孫太郎稲荷の本体は狐であった。前回の発表後、孫太郎という名前は個別名ではなく、地位や継承権の序列(長男が早世し、孫が家督を継いだ=孫嫡子、または太郎や次郎という直系に遠慮した地位である)を表わす名称の可能性もあり、その場合はそれぞれの孫太郎は特に関係がないと思われる。
 ところが、成り行きで2023年の10月に福岡市の中司(なかつかさ)孫太郎稲荷に参詣することができたが、そこは民間信仰の霊場だった。一方現在の岩船山の孫太郎尊を管理する高勝寺は、突如孫太郎稲荷拝殿内を整備しはじめ、そこには民俗学的にも興味深い絵馬や奉納物が多数見られる。今回は知られざる岩船山の孫太郎尊拝殿内部と、福岡市の中司孫太郎稲荷の画像をお見せし、重層的な「孫太郎信仰」の一端と発表者の妄想を紹介したい。


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第139回開催のご案内

日時:12月24日(日)15:00 
会場:オンライン(Zoom)

タイトル:

「天狗と修験者」再考
発表者:久留島元氏
要旨:

このたび白澤社さまより『天狗説話考』を出版していただいた。

通史的な天狗研究といえば、すでに古典的名著と言ってよい知切光歳の一連の著作があり、研究書としては今年文庫化もされた宮本袈裟雄『天狗と修験者:山岳信仰とその周辺』がある。


宮本の論考は『怪異の民俗学 天狗と山姥』(河出書房)にもおさめられるが、副題のとおり修験道史研究の立場から天狗の民俗伝承や、図像的特徴を考察したものである。しかし書籍の後半は「里修験」など民間信仰の担い手としての修験者を考察することにあてられ、天狗説話とのつながりは必ずしも重視されなかった観がある。


私は文学研究の立場から天狗研究に入り、修験道史研究はまだ勉強中の身の上であるため宮本著の位置づけを正確に行うことはできない。しかし拙著ではこれまで自明視されてきた山伏と天狗の関係を見直し、山伏と天狗の関係も歴史的に形成されてきたものと位置づけた。


改めて天狗説話の担い手としての修験者(山伏)の活動について、参考になりそうないくつかの事例を紹介しつつ、「天狗と修験者」の関係を再考したい。


※来聴歓迎!
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第138回開催のご案内

日時:11月23日()15:00 
  ※通常、日曜日に開催しておりますが、今回は勤労感謝の日にあたる木曜日です。

会場:オンライン(Zoom)
タイトル:

日本に於いてミイラはいかに捉えられたか

発表者:杉山和也

 要旨:
 本発表ではミイラ、引いてはエジプトが、特に前近代の日本でどのように捉えられてきたか、という問題について、ミイラがどこでどのようにできるのかを説明する説話を中心に考察する。これは現代でもよく知られる「ミイラ取りがミイラになる」ということわざの成立と深く関わる説話であるが、従来、研究が乏しい。
 ミイラという日本語は17世紀のキリシタン関係の文献に現れ、没薬という樹脂の薬品を意味していた。17世紀後半頃からは錯誤が生じてか、舶来の枯骸の薬を意味するようになる。偽薬が横行するほど、この洋薬は流行した。こうした時代性を背景に上述の説話が諸種の文献に見られるようになる。どの文献に所載の説話でも、ミイラができる地域に関する地理的情報と、ミイラができる場として砂漠について語られるが、いずれについても、〈想像〉と〈創造〉を織り交ぜつつ、遥か遠方の未知の世界の砂漠、ミイラ、引いてはエジプトが描かれているのである。

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第137回開催のご案内

日時:10月29日()15:00
会場:オンライン(Zoom)
タイトル:
魚と野菜の大合戦
ー『献立合戦笑草』を読むー

発表者:伊藤慎吾

 要旨:
 野菜たちのせいで思いのままに権勢を振るえないことに不満をもつ鮭の将軍が戸棚ヶ城に諸国の魚類を結集し、一方、それを伝え聞いた野菜たちは大将畠山の薯蕷(ながいも)の号令で同じく城に集まる。その結末やいかに…。
 魚と野菜の合戦物語は、食文化の歴史を背景に、室町時代の『精進魚類物語』に端を発し、幕末明治まで展開し、一つのジャンルを形成します(精進魚類物)。
 最近、上田市立図書館所蔵の『献立合戦笑草』という江戸時代後期の写本もその一つだと気付いたので、今回、これを紹介し、その特色を考えてみます。


※これに近い作品を以前紹介しました。
 下記URLからダウンロードしてください。
 →「魚類扣考」『日本文化研究(國學院大學栃木短期大学)』第5号
   https://www.kokugakuintochigi.ac.jp/tandai/etc/nihonbunka/pdf/05/03.pdf

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第136回開催のご案内

日時:8月27日()15:00
会場:オンライン(Zoom)
タイトル:
刷物・書写本〈伝来薬「心躰安樂丸」〉処方箋一覧
―極楽からの御薬の効能―
発表者:
羽鳥佑亮氏
 要旨:
  江戸時代には、御薬そのものに、乃至、御薬の広告に見たてた体裁で、処世訓や俚諺を羅列したり、ある考えを平易に記したりとした、刷物や書写本が散見される。管見に入るものには、例えば『家運長久修身元』や『人心儉約長榮丹』、『三國相傳他力念佛丸』がある他、江戸時代前期の井原西鶴による『日本永代蔵』には「長者丸」の記述があり、同様の趣向である。
 これらの類のひとつに、「極樂傳來心躰安樂丸」と名付けられることの多い伝本がある。この極楽伝来の御薬は、江戸時代後期から戦前期頃までは広く享受されたようだが、現在では忘れ去られていよう。この類は他にも雑多にあり、著名な作品ではないために学術からも看過され、研究はほとんど行われていない。
 そこで、この極楽伝来の御薬に注目し、表記の揺れにより統一書名を〈伝来薬「心躰安樂丸」〉としてとりあげ、実態把握と系統整理、各々の特徴の確認を行う。

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誕生日:
2009/09/15
自己紹介:
新宿ミュンヘンで誕生。

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